向き合う
暗い空を引き裂くように目覚ましの音が聞こえる。
永遠に夜が明けないのではないか、と思えるような空。
初めてそこで、それが朝だったのだと気づく。
昨日見たすがすがしい夕空はどこに消えてしまったんだろうなぁ。
静かなホールの壁を打つピアノの音色のように、雨の音だけが薄暗い家の中に聞こえてくる。
あとは静けさだけ。
そんな日は、
考えろ、
考えろ。
向き合え、
向き合え。
自分の心の深淵を首を伸ばして覗き込め。
心のうちに隠れたエゴ、
諦め、
人の優しさ、
自分の冷たさ、
創造するということの孤独、
作曲家の魂の声、
探して、求めて、ようやくたどり着いたところにあった闇、
忙しいというのは心を亡くすこと、
常識のコートの下に隠された今にもガラガラと崩れそうな鋭い感受性、
押しとどめているもの、
踏みとどまっているもの、
出しきれないでいるもの。
心の中をえぐり出して、
それを何食わぬ顔をして上品に提示する、
そんな芸術。
それが芸術?
向き合え
向き合え。
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