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2017年5月

5月を振り返ってみた

まずは5日のピティナのコンチェルトセミナー。前半は高校生2人のコンチェルトの公開レッスン。2人ともとても音楽的で楽しかった。弾き方のことももちろん言ったけれど、コンチェルトだからここはこんなバランスで、こんなやり取りの仕方で演奏したほうがいい、というアドバイスもしました。後半は講座。コンチェルトについて話をするというなかなか難しいコンセプトでしたが、例によって話し始めるとどんどん言いたいことが出て来て、また例によって時間をはみ出してしゃべり倒してしまいました。そして最後にはやはり、これからの日本の音楽界を豊かなものにしていくための提言、本当の意味で音楽家として上達すると言うのはどういうことなのか、目先のコンクールのことばかり考えることによる弊害、などをお話しして締めくくりました。伝えたい事はたくさんあります。





13日には、同郷のチェリスト大島純さんとロシアものばかりのチェロソナタのコンサート。ピアニストにとってかなり大変なプログラムでしたが、そもそも寝ててもできるような簡単な曲を弾いても仕方ない。とてもやりがいのあるコンサートでした。





17日はカワイ浜松でペダリングセミナーの第2回「基本編」。導入編では全体的なイメージだけをお伝えしたのですが、今回はかなり詳しく体系的に分析したペダルの使い方をお話しました。


19日はカウンターテナーの藤木大地さんとのコンサート。2月のトリオのコンサートに引き続きハクジュホールです。シューマン詩人の恋とシューベルトの歌曲を数曲。ハクジュの透明な響きにピッタリのプログラムで、時空を超えたような感覚になりました。





21日はおなじみカフェモンタージュでトリオのコンサート。シューマン&ブラームスピアノ三重奏曲全曲シリーズの第2回で、奇しくもどちらも第2番でした。あまり演奏されない曲ですがどちらも素晴らしい!





22日、23日はまたまたカフェモンタージュで2日連続のベートーヴェン後期3大ソナタ。この3つのソナタ、特に最後のソナタはピアニストにとって、どんな音楽家にとっても、人類にとって特別なものだと思います。ベートーヴェンという1人の人間、しかし度重なる苦難を乗り越え、常に前に進み続けた偉大な人間が、31曲のソナタを書き終えて最後にたどりついた世界。まだこの後にいくつも他のジャンルの曲があるとは言っても、作曲者と神との対話のようなものに思いを馳せずにはいられません。





24日、25日は広島と梅田のカワイでペダリングセミナーの第一回「導入編」。最初はとりあえずピティナの課題曲のペダルの踏み方を知りたい、と言う位で来た方も、どんどん音楽的な話をしていくうちにのめり込んで聞いてくださっているように見えて嬉しかったですね。日本の音楽界の未来はきっと明るい。


そして今月最後のコンサートは28日。大好評をいただいているフィリアホールでの「語りと音楽」シリーズ、今回はシューベルト編です。シリーズでは初めてゲストとして、カウンターテナーの藤木大地さんにも歌ってもらいました。19日にシューマンを一緒に演奏したばかりですが、今回はシューベルトの「美しき水車小屋の娘」。ピアノソロではシューベルト唯一のヴィルトゥオーゾピース「さすらい人幻想曲」。これはさすがに難しかったし、5連続本番の中隙間時間を見つけて練習をしないといけなかったんで大変でしたが、こういう曲でも落ち着いて弾いたら確実に弾けるようになったというのは大きな収穫でした。





以上、5月を振り返ってみました




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6回目を迎える語りと音楽 @ フィリアホール

‪今日は元NHK名物アナウンサーの松平定知さんとタッグを組んでいる「語りと音楽」シリーズ、6回目となる(!!)今回はシューベルト編でした。‬
フィリアホール公演は毎回好評で、今回もほぼ満席。リハーサルも終わりあとは開演を待つだけというところで、なんと田園都市線が止まってるとの知らせが。開演時間が延長され、結局1時間遅れの15時開演となりました。それにも関わらず最後まで帰らずにいて下さったお客さんたちの温かさに感謝です。
さて、今回はしょっぱなからいきなりさすらい人幻想曲。初めて取り組むこの曲はやはりさすがに難しくて、5月の死にそうなスケジュールの中なんとか時間を見つけて練習してたんですが、本番は開き直って落ち着いて演奏したらいろんなところが面白いほど弾けて楽しかった^^;。
台本は今回はシューベルト自身の手紙ではなくゲーテの「若きウェルテルの悩み」から。このシリーズとしては初のゲストアーティストにカウンターテナーの藤木大地氏を招き、「美しき水車小屋の娘」を抜粋です2部に分けて演奏しました。抜粋といっても3分の2以上の14曲なのでかなりの分量ですが。ここのところ藤木氏とは毎週のように共演してるような気がする。とは言ってもハクジュと今回のフィリアだけですが^^;。合わせも密にやるので、2公演あるとしょっちゅう会っているような感じがしますね。ドイツ語の歌曲にどっぷりの期間、楽しかったな。歌曲はやっぱりドイツ語のものが好き!。言葉も分かるので、想いもたくさん込められます。そしてこうやって得た歌曲の感覚は、また今度のソロの曲や他の室内楽を弾く時にもかならず生きてくるのです。
それにしても激動の5月をなんとか生き延びた!本番の数こそすごく多かったわけではないけれど、曲数、そして何よりも手がける曲の難易度が半端なかった。
ラフマニノフ・ショスタコーヴィチ・プロコフィエフのチェロソナタ、シューマンの詩人の恋、シューマンとブラームスのピアノ三重奏曲第2番、ベートーヴェンの後期の3つのソナタ、そしてさすらい人幻想曲と美しき水車小屋の娘。これにて5月は打ち止め〜。
来月は1日から早速本番ですが(笑)


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シューマン「詩人の恋」 with 藤木大地 in ハクジュホール

今日はハクジュホールでカウンターテナーの藤木大地氏との共演でした。ウィーン国立歌劇場に日本人のカウンターテナーとして初めてデビューした後の初リサイタル、とても大事なタイミングでのリサイタルに選んだ曲はシューマンの「詩人の恋」。
ハクジュホールでのワンダフルoneアワーは、2月にまつきとわたるとはなこのトリオで出演した時と同じく昼と夜の1時間ずつ2公演。歌にはかなりハードだと思いますが、どちらも素敵な時間でした。それにしても詩人の恋素晴らしい曲ですね。たった30分の歌曲集なのに映画のような濃さがある。そして、他のシューマンのピアノと同じく、もしくはそれ以上に、心を込めれば込めるほど音に必ず表れる。その日によって、その時によって、心というのは変わるもので、毎回弾き方も変わってくる。テンポも何もかも、変わってくる。そういう僕の変化に藤木氏は喜んで乗っかってくれるのでとても楽しい。もちろん彼自身もその時によってどんどん変化していく。
普段歌の伴奏をすることはあまりないのだけど、歌曲自体は好きなので、こういうやりとりが出来る相手とだったらいろんな曲をやってみたいな。

ちなみにプログラムはこんな感じ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
シューベルト: アヴェ・マリア D.839
シューマン:詩人の恋 op.48
シューベルト:春の想い D.686
夜と夢 D.827
水の上で歌う D.774
魔王 D.328
音楽に寄せて D.547
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

他のシューベルト歌曲も素敵なものばかり。魔王はさすがに会場も盛り上がりましたね。
藤木氏とは28日のフィリアホールでの語りと音楽シリーズでも共演します。今回はシューベルト編で「美しき水車小屋の娘」です。ピアノソロではさすらい人幻想曲を弾きます。

それまでにあと3回本番と2回講座だ。倒れたりはしないけれど、毎回毎回最高の音楽が出来るように出来る限りの準備をしていい精神状態で集中して臨まないといけないですね。



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ベートーヴェン講座最終回!

カワイ表参道でのベートーヴェンソナタ全曲演奏会の最終回。30番と31番の事は前回しゃべったので今日は32番だけ。せっかくここまで全曲やってきたので、前半は1番から順番に31曲を振り返ってみました。




しかしよく考えると、30曲位を1時間でしゃべらないといけないと言う事は1曲を2分で終わらせないといけないと言うことに始まる直前に気づき、戦慄を覚えたのですが、かけ足で説明してなんとか1時間ちょっとで全曲をふりかえることが出来ました。短い時間でこうやって全曲を少しずつでも弾いてみると、若い頃のエネルギーと野心に溢れている感じから中期の頃の凄まじい大きな建造物の感じ、そしてそれを経た後の自然な感情の発露までどう変化していったかがよく分かって興味深いです。ベートーヴェンほど生涯を通して作風が変化していった作曲家は少ないんじゃないかな。それも形式的な変化だけではなくて、むしろそれよりも内容の変化、哲学の変化といってもいいかもしれない。
そんな31曲を通り過ぎた後に32番に目を向けてみると、何とも言いようのないほど内容の深い世界が広がっています。神のような天上の世界ではなく、神と対峙した自己の世界、宿命を何とか乗り越えてきた自分自身を見つめる眼差し。第2楽章を弾いていると、あぁこの人は何と強い人なんだったんだろうと切なくなってきます。どんな困難も自分の中で答えを見つけて解決してきた、そんな人にしか書けない旋律です。

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今月の予定

毎月始めのコンサート告知、順調に遅れております(笑)
なんだか今月始めは忙しかったなー。初めてGWに子供達を連れて遠出をするということもしてみました。(いつもは仕事なので)
その結果…………、もうGWに車では出かけない!^^;。姫路豊橋が、食事休憩も取ってないのに7時間以上もかかるなんて。次からは頑張って新幹線を取ろう。
しかし子供がいない頃は、連休は混雑の中遊びに行く人たちを横目に見ながら仕事をする時で、遊ぶのは空いている平日にと思ってたんだけど、子供がいるとそうもいかないですねー。このようにして集中的に混むんですね。




もう明日ですがカワイ表参道でベートーヴェンピアノソナタ全曲講座の最終回!!もう最終回ですよ!!今回は最後のソナタだけなので、前半で1番のソナタから全曲軽く振り返ってからにしようかなと思います。後期3大ソナタのコンサートは6月16日にあります。




13日はACT音楽セミナーでもご一緒しているチェリストの大島純さんと、彼自身が館長をつとめる洗足のプリモ芸術工房で、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、ラフマニノフのチェロソナタという凄まじいプログラムのデュオコンサートです。




17日はカワイ浜松でペダリングセミナー第2回「基礎編」。ついこの間第1回をやった気がしてるんですが早いものです。第2回はいつも単発でやっているのと同じような内容。今まで何回も講座をやって築いてきたペダルの極意を根本から説明します。




19日は2月にトリオで演奏したハクジュホールでカウンターテナーの藤木大地氏のリサイタル。シューマンの名作「詩人の恋」、それからシューベルトの歌曲も何曲かあるのですが、ピアニストにとっての見せ場は「魔王」でしょうか。




21日はおなじみ京都のカフェモンタージュでトリオのコンサート。シューマン&ブラームスピアノ三重奏曲全曲プロジェクトの第2回で、今回はどちらの作曲家も第2番です。もう席があまりないようです。




そして22日23日は続けてカフェモンタージュで、ベートーヴェンの後期3大ソナタです。




24日はカワイ広島で初めてのペダリングセミナー。サロン「パーチェ」は出来たばかりの時のお披露目会でも演奏したご縁のあるサロン。こじんまりとしていますがとても響きのいい空間です。内容は浜松の第1回と同じで「導入編」。ブルグミュラーやピティナB級、C級の課題曲も取り上げます。浜松は初めての講座だったのでまずはピアニストがそういう曲を弾くとどんな響きになるのか、音楽のイメージなども含めてお話して聞いてもらいました。ペダルをプロジェクターで撮ってリアルタイムで映像も見てもらいましたが、詳しく掘り下げた系統的な説明は基礎編で聞いてもらうことにして、まずは「ここまでペダルは細かく使うのか、ペダルでこんなに響きが変わるのか」ということを知ってもらうことに焦点を当てました。広島は今まで何回もいろんな講座をやっているので、もう少し突っ込んだ内容にするかもしれません。




引き続き25日は大阪のカワイで同じくペダリングセミナー第1回「導入編」。こちらも梅田に新しく出来たサロン「ジュエ」。サロンが出来る前には行ったことがあるのですが、新しくなってからは初めてなので楽しみです。




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28日は大好評の語りと音楽シリーズ。毎年この時期はフィリアホールで、こちらももうずいぶんチケット出ているようです。今回はカウンターテナーの藤木大地氏も一緒にシューベルトの「美しき水車小屋の娘」を演奏します。ピアノソロとしては「さすらい人幻想曲」。シューベルト唯一のヴィルトゥオーゾ曲。大学時代からずっと興味のあった曲なんですが、演奏するのは今回が初めてです。

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倉敷音楽アカデミー

ゴールデンウィーク最後の土日は、倉敷音楽アカデミーの公開レッスンでした。常連の受講生も初めての人も楽しく聞かせてもらい、楽しく(厳しく?)レッスンをしました。だんだんこの公開レッスンの認知度も高まってきたのか、聴講の方もかなりたくさんいて嬉しい限りです。少しでも地元のレベルアップに寄与できればと思っています。
時期的にほぼみんなピティナの曲を持ってきていました。主要コンクール前はみんなその曲を持ってくるので、こちらも課題曲に詳しくなります。全く今まで知らなかったいい曲との出会いなんかもあって(たとえばイベールのおてんば娘)これはこれでなかなか楽しい。もちろん全部が全部名曲というわけにはいかないけれど、それはまあ仕方ないところでしょうね。一見いい曲に見えても名曲でないものはレッスンで突き詰めていくうちに底の浅さが見えたりほころびが生じたりするので面白いところです。逆に名曲は、どれだけこちらが研究し尽くした気がしてもさらにその先がある。それにしても今年は学生音コンも含めてあまりにも内容が難しい曲が入ってる気がするんですがどういう意図なんだろう。「子供だから子供らしく弾きなさい」とは全く思わないし、本人が好きで選ぶ曲だったらいいと思うんだけど、課題曲はもっとオーソドックスなもののほうがいいんじゃないのかなぁ。何か深い意図があるのかもしれませんが。
ところでこの土日は実は携帯ナシ生活でした。なんと新幹線の中に置き忘れてきたんです。乗り換えの駅で危うく寝過ごしそうになり、荷物をまとめて急いで降りたホームで携帯がないことに気づいた時には時すでに遅く、発車する新幹線の窓から運ばれていく携帯を見るあのなんとも言えない気持ち。諦観というのはああいう心持ちなのか。
いろんな連絡が取れないのはとても不便で、今も携帯がある安心感と喜びを噛みしめているところですが、練習や勉強は携帯がないほうが捗りますね。移動中なども、手が少しでも空くと携帯を開いてしまうこの習慣をなんとかしないといけない。目の前のたくさんの情報に目が行くことで失っているものがきっとある気がする。それは情報のせいでも携帯のせいでもなくて、自分がちゃんと考えて向き合えばいい話。
現代人の考え方が安易になっているという原因はネットでいつでも簡単に情報が手に入るからだ、という風潮、原因としては確かに間違いじゃないかもしれないけど、じゃあネットがなかった時代は良かった、というのはおかしいんじゃないかと思い。何かがないよりもあるほうが間違いなくいいわけで、その溢れる情報にどう向き合って行くかは個人の責任。
コンクールも似たようなものかもしれないですね。僕らが子供のころよりコンクール自体が増えて、そのための講座や解説なんかも簡単に見られるようになった。そりゃあ見ればいいですよ。手に入る情報は何でも手に入れればいい。コンクールも受けたいコンクールは受ければいい。いい賞も取ればいい。だけどその先に何があるのか、そして何が本当に音楽的なのか、というところを見失わないようにしないとね。
情報も音源も少なかった時代は一つ一つがもっと大事で、その同じものをみんなが求めてた。みんな名盤の解説本もあってみんながそのレコードを買いに走っていた。そしてその曲の世界最高の演奏はそのレコードであって、それ聞いたことのない人はまだ「最高」を知らない人だった。そしてその名盤以外は存在していても誰も知らなかった。だけど今は名盤っていう概念も薄くなってるんじゃないかな。いつでも手に入る。たくさん手に入る。その代わり玉石混淆。そこでいまいちなクオリティ演奏を「最高」だと信じて聞いてしまっていたとしてもそれは玉石混淆のYouTubeのせいじゃない。これだけ情報で溢れかえる時代だからこそ選ぶ自由がある。そして選ぶ能力が必要になる。可能性が無限にある面白い時代じゃないか。

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