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2017年4月

松本ピアノフェスティバル〜ブルグミュラー講座

松本ピアノフェスティバル2日目はブルグミュラー講座を行いました。初めての試みでしたが、皆さん本当に真剣に聞いてくれました。
1時間だけの講座で全曲やると薄っぺらくなりそうだったので、何曲かピックアップしました。定番の「乗馬」(蛇足ですが原題のフランス語には貴婦人という意味はなく、乗馬という意味すらないそうです)「バラード」「シュタイヤー舞曲」など、それからピアニストが弾くと特に違いが出る曲として「アヴェマリア」「別れ」なども取り上げました。
ここをこう弾きましょう、こういう部分が難しいのでこんな練習しましょう、とか、教える時にこんなことに気をつけましょうというようなことは他にもいくつも初歩的な講座があるので、楽曲としてどんな素晴らしさがあるのかという解説に焦点を絞りました。
それぞれ良さがありますが、中でも「別れ」という曲はとてもよく出来た曲ですね。あのホロっと泣かせるような出だし、それはフリではなくて本当に身を切るようなつらさがあるということが3小節目のsfでよくわかります。そして悲しさや心の震え、動揺や焦りのようなもの、様々な感情が入り混じるテーマ。agitatoとあるので、別れの後のポツリとした寂しさ、別れの辛さが体に染み込んでいく様などを表しているのではなく、また嘆きを切々と歌い上げるアリアでもありません。もっと心が動いている状態、たとえばいてもたってもいられない様子を表しているのか、もしかしたら別れはまだ目前にあって「どうしよう」と思っているのかもしれません。中間部は幸せな思い出の世界。ショパンの葬送行進曲にも似たような展開ですね。この部分がどのようにすれば「幸せだった」「思い出」のように響くのかの検証もしてみました。
今回は休日の講座だったのでレスナーさんが大半を占めるいつもと違い子供たちや親御さん達もかなりいたようですが、ブルクミュラーの世界を少しずつ掘り下げていくうちに、どんどん会場の集中力が深まっていったのを感じました。掘り下げていくと作品の内容がどんどん見えてくるというのは名曲の証です。手ほどきの仕方や弾きにくい気をつけるべきところを教えてくれる講座や解説本も大事ですが、その大元には音楽を愛する心とそれを表現したいと言う気持ち、そして今取り組んでいる作品の大きなイメージが必ず必要です。それなくして「やり方」だけ学んでも決して音楽にはなりません。ブルグミュラーに関してはその部分を教えてくれる講座や、憧れの対象となるべきすばらしいピアニストによる演奏があまりにも少ないと感じたので、あえてこういう講座をしてみました。
「やり方」の情報があふれている現代だからこそ、本当に音楽的なものに目を向けられる人が少しでも増えるといいなと願っています。

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松本ピアノフェスティバル

2年ぶりの松本ピアノフェスティバル。今回は演奏ではなくて、ジュニアアワードの審査員と講座をしました。1日目の今日はジュニアアワード。11人のピアニストの卵たちが自由曲を弾きそれを審査するのですが、面白いのは聴衆も審査に加わると言うことです。それも、他のコンクールのように副賞のような扱いではなく、審査員特別賞と同じかむしろそれよりも価値のある賞としてミューズ上と言う名前の聴衆賞が設定されているのです。
そんなコンセプトなので、子供たちも心なしかコンクールよりものびのびと演奏していたような気がしました。
夜はピアノ・ザ・プレミアムを鑑賞。ノージャンルのピアノフェスティバルと謳うだけあって、クラシックの山本貴志君から2台ピアノのライル・クライス、そして松下奈緒さんまで多彩なラインナップ。後半は前回もコンサートを盛り上げていたレ・フレールの演奏。楽しかったなー!



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ブルクミュラー講座、そしてコンクール動画の危険性




4月30日には長野県の松本でも講座やります。これはなんと!!ブルグミュラー講座。初めての試みです。まだ松本だけの予定ですが(ペダル講座の初級編では取り上げてますが)、将来的に他のところでもどんどんやりたいなと思っています。
こういうことを始めたのには実はきっかけがあるんです。

それは、レッスンをしていた時のこと。
いまいち音楽的にいい感じにならないなぁ、と思って、初めてのレッスンだったので
「この曲は誰のCD聞いた?」と何気なく質問したんです。
好みなどが分かったら取っ掛かりもあるかな、と。
そうすると、「コンクールの動画を見ました。」と。
・・・・・
驚愕でした。
同じようなやり取りが他の人をレッスンしてる時にも何回かありました。
ちなみに、このやり取りを聞いて驚愕しない人(レスナーさん)は、ちょっと考えた方がいいです。
お手本の演奏を聴いたほうがいいのかどうか、というのはいろんな意見があると思うのでここでは置いておきます。(僕は個人的には出来る限りたくさんの録音を聞くべきだ、と思っていますが)
ここで問題は、演奏家のものを聞くのではなくてコンクールの受賞者の演奏しか聞いていないということ。もちろん参考にするのはいいし、中には僕らもため息が出来るような素晴らしい演奏もある。だからと言って、コンクールの動画を見ればその曲のこと、ひいては音楽というものが分かったような気になるのは何かおかしいですよね。
だって彼らは演奏家の卵でしかないわけだから。
ショパンコンクールですら、例えば受賞者としてのツィメルマンとその後のピアニストとしてのツィメルマンは全く完成度が違うわけです。ショパンを勉強したいと思うなら、ツィメルマンを聞き、ホロヴィッツを聞き、ルービンシュタインを聞き、アルゲリッチ、ポリーニ、コルトー、フランソワ、(あぁ、昔の演奏家ばかりになってしまう)いくらでも素晴らしい録音が残っているわけです。時には最近のショパンコンクールコンテスタントのものを聞いて新鮮な感覚を感じるのも良し。みんながみんなショパンをショパンのように弾けているとは限らないから、その辺のことが分かった上であれば。
はい。ショパンコンクールですら多分そのくらいの位置付けです。
いわんや、国内のコンクールをや。それも子供のコンクールをや。
なのでみんなもっといろんな演奏を聴けばいいと思うのだけれど、さてここで困るのが、ショパンとかモーツァルトのソナタとかまで行けば宝物のような録音が山ほどあるけれど、その前の段階の曲集に指標となるような演奏が少ないことなんですよね。
ブルクミュラーもそう。いくつかピアニストによる録音がありますが、まだまだ少ない。そしてそれに比べて子供の発表会などで聞く機会があまりにも多い。そうするとかなり意識していても、だんだんそういう音楽だと思うようになってしまうんですね。
でもブルクミュラーのエチュード集は本当はもっともっと素敵な音楽だと思う。
それを分かってもらいたいんです。
全ての子供がそういう風に弾けるわけではなくても、その世界を知った上でもっとゆっくり弾かせるのと、そんなもんだと思ってゆっくり弾かせるのと、全然結果が違ってくる。その時は違わなかったとしても、その生徒さんの10年後は確実に違ってくる。
そう考えると先生の責任って重大だ。
自分にもそのまま降りかかってくる話だ(汗)
さて、勉強勉強。

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コンチェルトセミナーについて




5月5日のピティナコンチェルトセミナーは、チャイコフスキーやベートーヴェンの皇帝なども取り上げながら、コンチェルトへのアプローチの仕方、指揮者やオケとのやり取り、気をつけるべきこと、仕上げるにあたってのソロとの違い、なども説明する予定です。
ちなみに僕自身は、コンチェルトだからと言ってソロと全く違うアプローチはしません。室内楽もしかり。大元の部分は全て同じだと思ってます。
コンチェルトであっても室内楽であっても、ソロでも、音楽としてどうあるべきかを考えるのが先決。全てのパートを含めた音が頭の中で鳴り、流れを作らないといけない。ソロの場合はそれがたまたまピアノの音だけ、というだけのこと。
と考えるとコンチェルトの仕上げかたなどの話も結局は「音楽との向き合い方」という大きな話になっていくんだろうなぁ。
ただ、そうは言っても1回もコンチェルトを弾いたことがない人に全てを把握してイメージしろと言ってもそれはやはり無理なので、実際問題どんな感覚でやっているのか、やってみて初めて分かったこと、ソロとはまた違う面白さ、その他諸々喋ろうと思っています。

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読響シンフォニックライブ

https://twitter.com/kazmatsuki/status/855443681385496577

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ペダル講座 in カワイ浜松 第1回初級編

‪カワイ浜松でのペダル講座は、たくさんの方に来ていただきました。カワイの講師以外の方の比率がこんなに高い講座はなかなかないとのことで、やはり皆さん興味のある分野なんだろうな、と思います。同時になかなか知る機会がない分野なんでしょうね。‬
‪第一回目は初級編と言うことで、ブルグミュラーの25の練習曲やピティナのB級C級の課題曲を題材に使いました。といっても、「ここの部分で踏んでここで離しましょうね」と言うようなよくある初歩のセミナーのようなことはしません。どのペダルがどういう役割で、どんな種類のペダリング(ハーフペダルやヴィブラートペダルなど)があるか、ということもすっ飛ばして、というかもう知っている前提でお話をしたので、もしかしたらちょっと難しかったかもしれません。‬
‪しかし、ビギナー向けのセミナーが溢れている今、音楽の奥深さを本当にわかってもらいたくてお話と演奏をしました。‬
‪その中には、目の前の子供のための曲集やコンクールにばかり目を向けていると日本の音楽会の将来はないですよ、と言うメッセージも込めたつもりです。それはまずは、先生方のためではなくてそこで習っている生徒さん達のためなんです。先生方はとりあえず目先のコンクールで良い成績を出してもらえば名前が出てくる。しかしそこで、10年後20年後のことを何も考えずにレッスンをされた生徒たちさんたちの多くは中学生や高校生で伸び悩みます。というのが僕らの子供の頃の構図だったのですが、情報がたくさんある今の世の中、そのままのスタンスでも中学や高校は生き延びられるみたいで、その後大人になってから伸び悩むんだと思います。そのようにして最近の日本の国際的なレベルは下がっています。基礎力と感性が育つ子供のうちにやっておかなければならないことがたくさんある。切実にそう思います。‬
‪長くなって来たのでまた書きます。‬

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日本の音楽教育界を変えて行くために

今年はあちこちでペダリングセミナーを行います。講座屋さんではないのであまり今まで講座の告知と言うのは積極的にしなかったんですが、色々と思うことがあり、日本の音楽教育界の意識を少しでも良い方向に持っていかなければと強く思うので、ちょくちょく思うところを書いていきたいなと思います。
第1回導入編
第2回基礎編
第3回応用編
というふうに分けて、第1回が
浜松は明日4月19日
広島が5月24日(水)
大阪が5月25日(木)です。
秋から冬にかけて仙台でもあり、1回だけの開催ですが6月29日に金沢でもあります。








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狛江エプタザールでの室内楽

今日は狛江はエプタザールでの室内楽コンサートでした。
ヴァイオリン 上里はな子、KENTA(from TSUKEMEN)
ヴィオラ 鈴木康浩
チェロ 小川和久
という鉄壁の布陣との共演。



主催の方が、みんな楽しんで音楽活動をされている方々だから、ということで「アンサンブルJOY」という名前をつけて下さいました。
エプタザールで演奏するのは2年ぶり。前回は上里はな子&松本和将デュオでした。とても響きのいいホールだったので、ぜひここで編成のある程度多いな室内楽をしたいと持ちかけて実現しました。
前半はまずはベートーヴェンの弦楽四重奏曲第2番。運命や熱情を書いた人と同一人物が書いたとは思えないような、優雅で華やかな曲です。爽やかな風がホールを吹き抜けるような感覚になりました。
そして次はドホナーニのセレナーデ。弦楽トリオの編成で、上里はな子さんが抜けて男3人のアンサンブルとなります。よく考えるとドホナーニという作曲家の作品は、この曲とあと1曲知っているだけ。かなりマニアックな作曲家なんですが、この曲は弦楽トリオの1番の名曲と評価する人もいるくらい、本当にカッコいい曲です。また、3人で弾いているとは思えないような巧みな書法も聞いていて楽しいです。会場のボルテージもどんどん上がってきました。



休憩を挟んで後半はシューマンのピアノ五重奏曲。合わせるのが決して難しい曲ではないんですが、自然とみんなの歌が一つの方向に向かっていかないと凝り固まったつまらない演奏になってしまう、意外に難しい曲。後の2曲がとにかく合わせが大変な曲だったのでシューマンはどうしても短い時間の合わせになってしまうんですが、本番は見事にみんなの気持ちが一致した感じでした。
アンコールはまたまたシューマンの3楽章の後半部分。アンコールでは本編より早く弾くのが定番。えぇ、煽りましたよ(笑)。みんなそれに答えてバッチリ弾くからやり甲斐ありますねぇ!
ちなみに今回は、僕は演奏の出番は後半だけだったんですが、ナビゲーター役も務めました。ピアニストが弦楽四重奏の解説をするというなかなかない展開^^;。でもそれでお客さんが少しでも音楽に親しみを感じてくれたらいいな、という思いでいつもしゃべっています。
お客さんにはTSUKEMEN KENTA君のファンの方もたくさん来て下さってましたが、懇親会でお話していると皆さん楽しんで下さったようで良かった。
またここでみんなで弾きたいな^_^


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コンチェルト講座〜ラフマニノフピアノ協奏曲第2番




5月5日は「コンチェルトの日」だそうで、特級ファイナリストのコンチェルトのコンサートやコンチェルトステップと並んでコンチェルト講座があります。
前半はバッハとショパンのコンチェルトの公開レッスン、後半はラフマニノフ、チャイコフスキー、ベートーヴェンのコンチェルトを題材にコンチェルトを仕上げていくにあたっての気をつけるべきこと(オケパートの把握の仕方・そしてそれをいかにして1人での練習に落とし込んでいくかなど)、ソロとの違いなどなど解説します。
佐藤圭奈さんの伴奏でラフマニノフの2番コンチェルトの1楽章も演奏します。

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4月の予定

4月ももう7日ですか!!
1日のカンマームジークアカデミー in 呉の修了演奏会と今日のカワイ表参道でのベートーヴェン ピアノソナタ全曲講座は終わっちゃいましたが、恒例の月初の告知。ぱちぱちぱちっ。

早速明日4月8日三浦一馬君のキンテートに参加します。いつものデュオとは違う、バンドのような楽しさがあってエキサイトします。



その翌日4月9日は東広島・西条に新しく出来た東広島芸術文化ホールくららで「松本和将の世界音楽遺産」リサイタルです。流れを考えながらも結局のところ好きな曲を集めて作ったプログラム、やはり練習していても気持ちいいです(笑)。





少し空いて15日土曜日は戸塚で前橋汀子さんのリサイタル。年2回の前橋さんプロデュースのこのコンサートももう7回目!始まった時は5年計画で10回のコンサートなんて気が遠くなりそうだと思いましたが、早いものです。



その翌日16日は東京は狛江のエプタザールで室内楽のコンサート。精鋭メンバーを揃えました。前半は弦だけのアンサンブル。エプタザールはあまり貸し出しを本格的にしていないので知る人ぞ知る存在ですが、サロンとは思えない素晴らしい音響です。特に弦はスーッと伸びてフワーッと膨らむ感じで(分かる(笑)?)とてもいいです。後半は僕も参加してシューマンのピアノ五重奏曲です。






そして21日は浜離宮朝日ホールで前橋汀子さんのソナタのアフタヌーンコンサート。モーツァルト、プロコフィエフのヴァイオリンソナタを弾いて最後にクロイツェルを弾くという重量級のプログラムです。



23日には東戸塚のサーラ・マサカで上里はな子&松本和将デュオのシューマン・ブラームスヴァイオリンソナタ全曲コンサートの2回目。今回はブラームスの雨の歌とシューマンの2番、それから幻想小曲集Op.73も弾きます。



月末4月29日と30日には2年ぶりに開催される松本ピアノフェスティバルに参加します。友人が主催者の1人なんですが、メッセのような華やかな雰囲気に度肝を抜かれたこのフェスティバル、今年はジュニアアワードの審査と講座に出演します。



皆さんとどこかでお会いできることを楽しみにしていますhappy01

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ベートーヴェンソナタ全曲講座最終章



春休み感満載の表参道で、朝からベートーヴェンの後期ソナタの講座をしてきました。今日は30番と31番。こういう曲の場合は、「講座」という言葉がしっくりこないね。熱情とかだったら、どこがどういう仕組みになっていて、それをどうやったらうまく成し遂げられるか、そしてその結果生まれる音楽はどんなものか「解説」出来るけど、後期の3つのソナタは「解説」をするような境地にはきっとない。むしろ、どれだけ素晴らしい内容なのか、聞きにきた人とその感覚を共有するという感じかな。そのためには心の準備が出来ていないといけない。熱情やハンマークラヴィーアのように気合いではなくて、心を開いてありのままを受け入れるということ。

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