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2016年4月

ベートーヴェンピアノソナタ第3番公開講座動画

5月18日のリサイタルに向けて、ベートーヴェンの3番ソナタの講座動画もアップしてもらいました。

作曲家としては遅咲きのほうで、すでに20代半ば。
しかし、同じ時期に書かれたハイドンのソナタなどと比べてみると、当時としては驚くべきスケール感で書かれています。
間違いなくオーケストラの響きが頭にあったと思われます。
第2楽章のメロディーも切ないまでに美しい!!
そしてそれらの全てが、古典の枠組みからはみ出ることなく書かれているというところがポイントです。
今回のリサイタルのコンセプトは、〜ソナタの黎明、進化、そして革命〜
12番のソナタ、そして月光でソナタ形式を破壊して新たなるステージに踏み出すベートーヴェンの姿はまだここでは見えず、ハイドンからモーツァルトを経て完成に近づいていたソナタをここでさらに進化させています。

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リサイタル告知動画

5月18日のリサイタル告知動画がアップされました!!

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ソナタ形式について〜リサイタルプレレクチャーから




汐留イタリア街のベヒシュタインサロンで、5月18日の浜離宮朝日ホールでの「松本和将の世界音楽遺産」リサイタルのプレレクチャーをしてきました。カワイ表参道でもベートーヴェンピアノソナタ全曲講座&コンサートをしていますが、今回はレスナーさん向けの弾き方などの講座ではなくて、あくまでもリサイタルをもっと楽しんでいただくための企画。あまり専門的なことはしゃべらずに、感覚的なことや僕のこのプログラムに寄せる想いなどを1時間半ぶっ通しで喋ってきました。
「ソナタの黎明、進化、そして革命」というタイトルなので、まずはソナタとはどういうものか、から。本公演プログラムとは関係ないですが、ソナタ形式が一番よく分かるモーツァルトのK.545を題材にして、第1主題とか展開部などの用語を使わずに説明。ソナタ形式の形を知識として知るよりも、どんな雰囲気でテーマが出てきてどう変わっていくか、ということを体で感じてもらうほうが大事です。これは多分音楽を学んでる人にも足りない視点だと思う。そして美しい第2楽章、おまけのような第3楽章にも少し言及。ここ大事なポイントなんです。どうしても第1楽章を充実したソナタ形式で書いてしまうと終楽章あたりはおまけ感が出てしまいます。これはベートーヴェンの第3番Op.2-3にしても同じこと。あれだけスケールの大きな第1楽章、そして素敵な第2楽章のあとには、口直しとデザートのような3、4楽章が続くんです。その軽さがいいという向きもあるでしょうが、そこは後に「苦悩を経て歓喜へ」なんて言い出したベートーヴェンのこと、多分釈然としないものを感じていたに違いない。きっと。
第1番のソナタでも悲愴でも、最後まで緊張感を保たせようとした形跡は感じられるものの、いまいち完成されているとは言い難いところがあるんですよね。そこでベートーヴェンは考えた!(たぶん)「ソナタ形式を使っている限りは第1楽章偏重かるは逃れられない。敬愛するモーツァルトもトルコ行進曲付きソナタでソナタ形式を使わずに書いてるじゃないか。そうだ、やってみよう!」ということで12番Op.26でモーツァルトと同じように変奏曲から始まる曲を書いてみました。第3楽章には葬送行進曲を置いてみました。そうすると不思議!第3楽章にスーッとスポットライトが当たるんです。しかし、さすがに葬送行進曲で終わるわけにはいかないし、そこから華々しいクライマックスに持っていくのもおかしいし、と思ってるうちに煙に巻いたような第4楽章が出来ちゃいました。ちなみに、同じような構成で葬送ソナタを書いたショパンは、この曲を好んで演奏していたそうです。
さて、続く第13番Op.27-1でさらに自由な形のソナタを書いたベートーヴェンは、満を持して月光ソナタを書きます。コンセプトは、「嵐」。この曲の大事な部分は月の光に照らされた湖の部分ではなくて、終楽章の嵐の場面なんです。第1楽章では実は何も起こらない。それも7分もの長い間。美しい月夜のノクターンではないのだ。美しく陰鬱な沈黙が続いた後は第2楽章で楽園のまぼろしを垣間見せられる。そして第3楽章でようやく物語が動き始めて、とてつもない嵐に巻き込まれていく。
こんな物語を紡ぐためには一度ソナタ形式をなくす必要があったんでしょう。この曲で大成功したベートーヴェンは、その後はソナタ形式を使っても同じような緊張感を書き出すことが出来るようになるのですが、それはまたその後のお話。
と、まあこんな感じで例によってかなりたくさん弾きながら喋ったわけです。うーん、楽しい(笑)

ちなみに本公演のプログラムは、以下の通りです。

ハイドン:ピアノソナタハ長調XVI:50第1楽章
モーツァルト:ピアノソナタイ短調K.310
ベートーヴェン:ピアノソナタ第3番ハ長調Op.2-3
休憩
モーツァルト:ピアノソナタイ長調K.331「トルコ行進曲付き」
ベートーヴェン:ピアノソナタ第12番変イ長調Op.26
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2「月光」



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カンマームジークアカデミー後記




カンマームジークアカデミーin呉、毎回欠かさず参加している受講生が「本当このセミナーが大好きです。」と書いてくれていた。このセミナーもずいぶん大きくなってきたし、今回は従来の広島、関西方面以外にも東京方面からも芸大生や桐朋生、東京音大生なども参加してくれてずいぶんレベルも上がってきたし、雰囲気も変化してきたけれど、この一文を読んでどんな想いでこのセミナーを立ち上げたのかを改めて思い出した。何年も講師として参加していたヒロシマミュージックフェスティバルをやめるにあたって、僕らを慕って毎年のように参加してくれていた受講生達が宙に浮いてしまうから、細々とでもいいから講師陣で有志で立ち上げようということで頑張ったんだった。最初は教室のようなところで合わせをやって簡単なコンサートをするだけでもいいか、と思っていたのだけれど、たくさんの方の協力があって呉市文化センターのような素晴らしいホールで開催をすることが出来ている。別に僕らに、このセミナーで天下統一をしたいという野望があるわけではないけれど、惰性には絶対したくないので、やはり内容やクオリティはどんどん充実させていきたい。誰が来てもその人の人生に何かが残るようなセミナーにしていきたい。

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月光講座動画、コンサート動画

5月18日のリサイタルに向けての、月光の講座動画、

前回の投稿ではうまくリンクが貼れていなかったようなのでもう一度。
2015年3月8日のカワイ表参道での、ベートーヴェンピアノソナタ全曲講座&演奏会 シリーズ3ー第2回からの映像です。
月光がいかにその当時特別な曲だったか、またベートーヴェンは何のためのソナタ形式をなくし緩徐楽章にあたる楽章から書き始めたのか、などの答えを解き明かしています。
コンサートの映像も一部公開してもらいましたので、こちらもみてください。

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カンマームジークアカデミー終了!




第4回カンマームジークアカデミーin呉が終わりました。音楽と向き合って、受講生と向き合って、他のことは何も考えなかった5日間。最終日はみんないい演奏してくれました。今後に向けての課題もそれぞれ見つかっただろうし。
そして今朝ホテルを出ると、毎日見ていたはずなのにいつもと風景が違いました。前日に呉の海の近くを散歩しながら、この風景の広がりが期間中は見えなくなるんだろうなぁ、しかし何でだろうなぁ、と不思議に思っていたのですが、終わってみると不思議なことは何もない。あれだけ濃い5日間に風景を堪能する余裕なんてあるはずがない。「桜が咲いたね」なんて言ってたはずなのに、多分心は別のところに飛んでたんだろうな。
今年は島田真千子さん、坂口弦太郎さんという新しく講師で来てくださった素晴らしいアーティストもいて、レギュラーで受けている受講生たちにとっては刺激が何倍にも膨らんだことと思います。今持てる力を全て出し切るまでは全く緩めることを知らない講師7人のレッスンと合わせに、よくみんな食いついてきました。
夢のような5日間を終えて、今日はみんなそれぞれの想いを胸に帰っていきます。また1年後、呉に集いましょう。

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