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2013年10月

呼吸力養成講座 第1回

ピアニスト松本和将とボディトレーナー宮坂博による


「”カラダ”のしくみと使い方」シリーズ

ピアニストのための「呼吸力」養成講座 第1回〜基礎編〜

無事終わりました。

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カラダの使い方の中から今回は呼吸に的を絞っての講座。

やはり基本的にカラダの動きは呼吸から始まっているのです。

宮坂さんにたくさんの生徒達をレッスンしてもらう中で、

やはり僕が演奏する時との一番の違いは「呼吸」だという一つの結論にたどり着きました。

なので、呼吸なしにいくら関節や筋肉の動きを追求しても片手落ちになってしまう。

さて、音楽的に見た時に「呼吸」というのは大きく分けて2種類あります。

一つは音を出すための呼吸。

もう一つは表情を付けるための呼吸。

”打鍵のため”と”流れのため”と言い換えてもいいかもしれません。

息を吸ってそれによってカラダを準備して、吐きながら打鍵をする。

これが最も自然な重さの落とし方です。

試しに、息を止めたまま机をたたくのと、息を吐きながらたたくのとを比べてみるといいでしょう。

うまく吸ってから吐くとなおてきめんです。

ピアノを弾く時でも全く同じことです。

打鍵をする、というのは物理法則に乗っ取ったものですから。

対して、流れ。

ピアノは得てして機械的になりやすい楽器。

音符を点で捉えて、パソコンのキーボードを打つように打鍵していては、

歌うような表情はどうやっても出て来ません。

では、人が表情豊かに歌おうと思ったらまずはどうするか??

そう、息を吸うんですね。

それも深く、豊かな息を吸う。

ピアノも全く同じです。

ただ、歌と違ってピアノは弾きながら息を吸うことも出来るので、

さらに自由に呼吸出来るという点は違いますが。

そう考えると、打鍵のための息はグラフにすると縦のライン、

流れのための息は横のライン。

一つ一つの打鍵をするための息、と流れの息、

これをグラフにしてみると縦の線と横の線の2種類のグラフが出来ます。

ただ、言うまでもなく息は一度に2種類の息をすることは出来ない。

では、どうするか。

どちらかを優先させてもう片方はあきらめる?

いやいや、どちらもいっぺんにやるんです。

打鍵のためには今は息を吸いたいけど、表情を考えると吐きたい。

どっちもやるんです。

吸いながら吐く。

一見不可能なんですが、出来るんですね。

その前段階として、「息を止める」という作業も必要になります。

呼吸は、吸う、吐く、だけではなくて、

吸う、止める、吐く、止める、という4つの種類から出来ています。

止めるのもただ何事もなく止めているだけでなくて、

吸うように止める、吐くように止めるという種類があって、

それぞれ、息自体は止まっているんだけど体の中は、

あたかも息を吸っているように動いていたり、またその逆だったりします。

それを応用させれば、体の中はあたかも息を吸っているように動いているけど、実際は吐いている、ということが可能になるわけです。

そうすると、例えばショパンのバラード1番の冒頭のように、

一度上まで上がるけどその後は沈黙を挟みながら落ち込んで行くのみ、

という場面で1回1回あからさまな息継ぎをすることなく、

ずーっと息を吐き続ける姿勢を取ることによって音楽をつなげることが出来るようになるんです。

これにはかなりの呼吸筋力がいるので、決して簡単なことではないですが、

気持ちがたくさんある人は自然とついてきます。

そして、その「流れのための呼吸」の中にはリズム感も含まれます。

僕自身はよく分かりませんが、やはりダンサーも、特にバレエの分野では呼吸はすごく重要な要素だそうです。

リズミカルに呼吸することが出来なければリズミカルに体を動かすことも出来ない。

もちろんリズミカルに演奏することも出来ない。

では、どんな呼吸をすればいいのか。

書くと長くなりますが、こんな観点から講座を進めていきました。

まずは、宮坂さんに説明をしてもらい、

また事前に撮った僕の演奏の動画を使って、いつどういう呼吸をしているか解説してもらい、

さらにその場で僕が演奏しながら、どういう呼吸をしているか、それはなぜ、どういうイメージから来るものなのか、

などを説明し、最後に3人のモデル生徒を使って軽く公開レッスンのようなものをやりました。

たった2時間の中におさめるので、一つの要素を突き詰めることはなかなか出来ないですが、

実りある時間になったのではないかと思います。

なかなか奥の深い世界ですし、何よりも皆さんになじみのない世界なので、

どこまで分かってもらえるか、というのが難しいところですが。

分析講座のようにある程度世の中に情報があるものではなくて、ほぼゼロから始めるだけですが、

演奏などを通して感覚的に分かっている人はかなり高度なことまで分かるし、

知識として一から学ぼうと思って来た人にはきっと難しいだろうし、

的を絞るのが難しいですが、

でも分かるようになると絶対面白いので是非たくさんの人に見てもらいたいです。

ちなみに今回は何日か前にすでに完売になるほどの注目の高さでした。

そして、講座の最初にも途中にも最後にもくどいほどお伝えしていることなのですが、

この講座はあくまでも「いい音楽」をするための一つの要素として捉えてほしい物で、

体がうまく動かせるようになればそれが素晴らしい、と言っているわけでは全くないんです。

極端な話、いい音、いい表情であれば何でもいいと思います。

ただ、いい音のイメージがあっても、いい音を出したい気持ちはたくさんあっても、

何かが邪魔してうまくいかない。

そんな時に助けになればいいな、と思っています。

なので、始めからイメージなしに出来る物ではないですし、

その部分はこの講座でやる物ではないです。

そして、どんなに体の動きがはちゃめちゃに見える演奏家、

もしくは全く動いてないように見える演奏家でも、

素晴らしい音のする人は必ず素晴らしい動きをしています。

それが独特なものだとしても。

全部解明出来たら楽しいだろうなぁ。

それにしても、僕自身ですら自分でどういう息をしているかたまに分からなくなったりするのに(無意識でやっていることなので)、

外から見るだけでその細かいところまで見抜いてしまう宮坂さんはすごい。

さて、次回はさらに突っ込んだ内容の本質編に入ります。

もう予約が入り始めているようなので、皆さんお早めにlovely

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呼吸力養成講座打ち合わせ

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カワイ表参道パウゼで10月31日に行う、からだのしくみと使い方シリーズ「呼吸力養成講座」の打ち合わせ中です。

今回もパートナーはもちろん、ボディトレーナーの宮坂博さん。

生徒役の芸大院生、松橋くんに呼吸の説明中です。

今回は呼吸に着目して講座を進めていきます。

呼吸にはどんな種類があるのか、

それをどのように使って、

またそれによってどのように音が変わるのか。

もうずいぶんたくさんの方に申し込みを頂いているみたいで、注目の高さが分かりますね^_^

あまりに多いと申し込みを制限しないといけないかもしれないので、

ご興味お持ちの方はお早めに〜!

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カワイ音楽振興会50周年記念コンサート

19日のカトリック東広島教会でのコンサートに続いて、カワイ表参道でもバッハからショスタコーヴィッチまで弾いてきました。

カワイ音楽振興会50周年記念のコンサートということで、

カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」で3日間にわたって、お昼のコンサートと夜のコンサート合わせて9人のピアニストの出る企画だったんですが、

僕は初日の夜の出演。

津島啓一さんとのジョイントだったので、いつもと違う顔ぶれのお客さんもたくさんいて楽しかったですね。

いつもはだいたいトークもしながら演奏をしていくんですが、

今回は一言もしゃべらず、曲間で拍手ももらわずに最後まで弾き切りました。

いや、ホントは意図を説明したかったんですが、ジョイントなのに僕だけ解説書くのもおかしいし、

平均律弾く前にべらべらしゃべりたくないし、

というわけできっと皆さん驚かれたと思います。

ちなみに、先日のブログにも書きましたが今日のプログラム。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第8番変ホ短調
ブラームス:3つの間奏曲Op.117
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第3番嬰ハ長調
ラフマニノフ=コチシュ:ヴォカリーズ
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第5番ニ長調
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第21番変ロ長調
ショスタコーヴィッチ:24のプレリュードとフーガOp.87 より第24番ニ短調

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

客席の空気もどんどん変わっていって、ショスタコーヴィチの頃には会場が祈りに満ちた教会のような、全ての物を飲み込んで無限に広がる宇宙のような、

ポツンとしていてしかも巨大な世界になっていくのが見えるようでした。

一体こんなスケジュールとプログラムを計画したのは誰だ!!と過去の自分に苦情を言いたいほどしんどい準備期間でしたが、

そこまで追い込んで初めて見えてくるものがたくさんありますね。

大変だったけどやって良かったプログラムですhappy01

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リサイタル in カトリック東広島教会

東広島の教会でのコンサートから何とか生還しました。思い返すと、ベートーヴェンのソナタ4曲弾いてたのはまだ今週の日曜日と月曜日のこと。それも4曲中3曲が初出し。そのあと1日レッスンしてからのー、土曜日に平均律4曲からブラームスOp.117からショスタコのプレリュードフーガまで。もう一度言います。こんなスケジュール立てたの誰だっ(笑)
あちこちでその方面に詳しい人、というかピアノをやってる人はハラハラさせながらも、絶対に音楽の流れと世界観は失わなかったぜ@平均律。そしてその間に弾いたブラームス、ショスタコそしてヴォカリーズでは、暗譜の怖さなんで屁でもないので、それなりに入り込めたかと。こんなマイナーなプログラムですが、やっぱり自分が本気で向き合って入り込んでる曲だと客席もシーンとなるもんですな。
そうそう、昨日考えてたんだけど、よくも悪くも、自分はミスることを気にしない。少々ミスってもいい世界観を表現できればそれに越したことはないと思っている。だから、舞台上においてミスって萎縮するということがほとんどないんです。まあそれとは別にちゃんと完璧な準備をするのが大事ということは言うまでもないのですが。
しかし暗譜はよく怖くなってしまう。多分100回以上弾いているであろう英雄ポロネーズでさえ。何でだろう。ミスるのと同じように、暗譜が少々飛んでもいい音楽を弾き続ければいいじゃないか。そうだ。
いや、なぜ怖くなるかと言うと、ミスと違って暗譜は間違えるとそのあと弾き続けられなくなる可能性があるから。でも、今まで即興をしてでも弾き続けなかったことはあるか?いや、ない(反語?)。
じゃあ暗譜が飛んでも気にせず弾き続けるつもりでいい音楽をすることに専念すればいいじゃないか。
長くなりましたがそんな気持ちで臨みました。
そもそもこの、暗譜がどうのこうのという次元で物事を考えている時点で馬鹿馬鹿しい。聞きにくるお客さんは、「たくさんの曲を覚えられてすごい」という能力に感心したくてやってくるわけではなくて、あくまでもいい音楽を聴きたくてやってくるわけだから。その意味において、楽譜を見ながらでもいい音楽が出来るのであれば全く問題ないと思う。ただ、自分は譜読みは得意なので、楽譜を見てもいいですと言われると甘えて練習をしなくなるので、どんな曲でもソロの時は暗譜を課しているわけです。それなら何も心配なく弾けるくらいにまで暗譜をすればいい。それだけのこと。
最近で何も心配なく弾けたのは、シューマンのコンチェルトの3楽章。複雑に作れている曲だから、ちゃんとやらないと惨めなことになる、と調の移り変わり、音型の使い方からオクターブのどの位置で弾いているかまで全て頭に叩き込んで、どの箇所を弾いている時も次の展開を諳んじることが出来るまで覚え込んだら、本番は全く怖くなかった。同じようなことが、期間が短かったから何とか頭で覚えたベートーヴェンソナタでも起きました。フーガはそれよりははるかにむずかしいけれど、同じことをもう少し時間をかけて、もっと事細かにやればいいだけ。うん、やり方は分かっている。あとは時間と忍耐力だけ。
そして、そのような具体的な問題をクリアした先から初めて音楽面を磨く作業は始まるのだということを肝に銘じておかなければならない。
さぁ、楽譜を読もう!頭の中で音を鳴らそう。空中で指を動かそう。いつの日か、最寄りの駅へと向かう足取りと同じように当たり前にフーガが弾けるように。

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22日のプログラム

22日のカワイ表参道のコンサートのプログラムが一部変更になりました。
平均律クラヴィーア曲集第1巻第7番変ホ長調の代わりに、第21番変ロ長調です。

したがって
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第8番変ホ短調
ブラームス:3つの間奏曲Op.117
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第3番嬰ハ長調
ラフマニノフ=コチシュ:ヴォカリーズ
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第5番ニ長調
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第21番変ロ長調
ショスタコーヴィッチ:24のプレリュードとフーガOp.87 より第24番ニ短調

というプログラムになります。平均律をレチタティーヴォのような位置づけにして、孤独と希望と祈りの物語を紡いでいきたいと思います。

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買ってしまった!

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ピアニストの斎藤雅広さんに進められて、思わず買ってしまいました。

Vladimir Horowitz Live at Carnegie Hall

なんと42枚組!!

あー、聞く暇がない(笑)

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ブラームスとジュリアス・カッチェン

最近19日と22日のリサイタルで弾くのでよくブラームスのOp.117を聞いている。
ジュリアス・カッチェン素晴らしい!!彼の演奏はたまに性急な感じを受けるんだけど(ラフマニノフ2番のあのテンポ!!)、この3曲はどれも噛みしめるように弾いていて、染み入る。40代にして死ぬことを知ってたんだから、急いでても仕方ないよね。
グールドもいい。Op.118の数曲あるほうは個人的には崩しすぎててそこまで好きになれないんだけど、117はいいね。
ケンプの孤独感も魅力的。ヴィルヘルム・ケンプという人は、いつもバックハウスとの対比で「人間的な優しい演奏」というようなことを言われているけど、僕にはむしろ「いざとなったら切り捨てて突き放す冷たさを持っているからこその惹きつける魅力」な気がしてる。どうなんだろう。
逆にバックハウスは、一見厳しくて人を寄せ付けないように見えるけど、本当は最後まで絶対に面倒を見る人だったんじゃないだろうか。

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ベートーヴェンピアノソナタ全曲演奏会Part2

というわけで、広島・倉敷と2回にわたるベートーヴェンピアノソナタ全曲演奏会パート2を終えて、東京に無事生還しました。
暗譜飛ばなかったし、悲愴では涙が出たという声をたくさん聞いたし、7番もどんどん楽しく弾けるようになってきたし、5番の運命の動機は分かってくれた人がいたし、4番はいまいち自分は乗り切れないということが分かったし(笑)、非常に収穫のあるコンサートでした。無理やり始めて毎回苦しんでるけど、まだ弾ける今のうちにやっとかないとね。油断したら弾けなくなるのはあっという間だろうから。それにしても、ハンマークラヴィーアの回がくるのが怖すぎる。11番も12番も13番も始めてだし。次回は早めに取り掛かって余裕を持って仕上げよう。
と言う矢先から今週末はまた違うプログラムでリサイタル。こんな予定立てたの誰だ( ̄▽ ̄)

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ベートーヴェンと遠藤周作

ずいぶん前にブログでも書いたきがするけど、遠藤周作の「沈黙」ってベートーヴェンっぽいと思う。
以下ネタバレあり。
あらすじは、宣教師が日本に潜入しました。捕まりました。恩師に再会したら恩師は棄教していました。そして自分も転びました。
たったそれだけ。
出来事自体がものすごく面白いわけではなく、描写が巧みなわけでもなく、美しい文章で魅せるわけでもない。でも、その棄教するまでの過程がものすごい緊張感なのだ。苦しみの中何度問いかけても「沈黙」している神。最後に聞こえた言葉は衝撃でした。
熱情も同じようなものではないか。あらすじは、恐ろしい力が忍び寄ってきて、光を求めて逃れようともがくけれど結局最後は地の底に落ちていく。それだけ。
その過程で運命のモチーフがあちこちから聞こえてくる。
美しいメロディーも華麗な装飾も必要ない。奈落に向かっていく道筋と、あちこちにある伏線や落とし穴をちゃんと表現するだけでいい。
そう考えると、5番あたりはまだまだ道筋も若干ぶれてるし、伏線もいまいち張り切ってないうちに終わってしまう。でも、この路線を模索するにあたって、構造的にもサウンド的にも必要最小限の規模から実験的に始めた作品だと思うと、これまたゾクゾクする。
さぁ、ごたくを並べてないで練習しよう(笑)

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園田高弘先生メモリアルコンサート〜本番を終えて

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園田高弘先生メモリアルコンサート、

僕は第2夜のショパンエチュード全曲演奏会の方に出させて頂きました。

出演したのは

青柳晋、大崎結真、大橋雅子、岡田将、川井綾子、島田彩乃、杉目奈央子、田村響、新納洋介、平井千絵、三木香代、宮谷理香

すごい面々ですねぇ。

前日のバッハ平均律クラヴィーア曲集第2巻全曲演奏会は観客として聞きに行ったんですが、

それはそれはすごい緊張感で、「明日はこの舞台で自分が弾くのか」と武者震いなのか単なる震えなのか分からないようなものを感じていたのですが、

いざゲネに行ってみると裏では皆さん和気あいあいとしていて、

久しぶりに会った友人も、初めて会うピアニストも、いろんな人がいたのですがとても楽しい時間を過ごせました。

それでも演奏するのは一筋縄ではいかないショパンエチュード。

交互に出ていって1回に弾くのは1曲だけ。

学生の頃のコンクールのように舞台で出て行って「はい、弾いて!」と言われて即座に弾くようなまねは、この年になるとなかなか出来ないものです。

どうしても2時間かけてテンションを上げていくように体が出来上がってるからね。

共演するピアニストもすごい人たち、聞きに来ているのもきっとすごい人たち、

そして客席には園田先生の奥様も聞かれている。

舞台では園田先生の写真も聞いている?

本番が近づくとさすがにすごい緊張感でした。

僕の出番は25−9「蝶々」。

決して超難曲ではないですが、エチュードの中でも最も短く、意外にシビアな曲です。

およそ出て行ってこれだけ弾くような曲ではない。

でも、その1分で自分の持てるものも表して、曲の魅力も表現して、

もちろん演奏会を壊すような変な演奏はしてはいけない。

なかなかなプレッシャーでしたが、とりあえずちゃんとした演奏が出来て良かった。

終わった後の皆さんの解き放たれた笑顔です。

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そして、開演前の固い表情(笑)

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そりゃあこれからエチュード弾くというのに、リラックスした笑顔にもなれないですよねspa

なかなかな鬼なコンサートでしたが、しかし緊張感と同時に温かい空気も流れていて、

たくさんのピアニストと知り合うことが出来、刺激も受けて、

本当に出られて良かったなと思います。

またこんな機会があればいいな〜〜note

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せんくら3日目

仙台クラシックフェスティバル2013、

3日目のソロリサイタルも無事終わり、これから東京帰ります。

今日のプログラムは

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ショパン:幻想即興曲

シューマン:アラベスク

ショパン:黒鍵のエチュード、革命のエチュード

ブラームス:間奏曲Op.118-2

ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番「熱情」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

45分の短いコンサートなので、なかなかプログラミングが難しくて、

やりたいものとメジャーな曲をどちらも入れたらこんなにチグハグになってしまいましたaries

コンサートの副題は"ショパンとドイツの巨匠たち"。

主催者さんも一体どんなタイトルにするのよ!!と悩んだことでしょう。

今回はエル・パークのギャラリーホール。

前回来た時よりも会場が一回り大きくなりました。

それでも結構たくさんの方が来てくださっていて嬉しかったですねnote

さて、今回のメインは言うまでもなく熱情。

トークでも言いましたし、書いこともあるかもしれないですが、

「檻」のお話。

ベートーヴェンがあまり好きでないある生徒になぜベートーヴェンが好きじゃないのか?と質問した時に、

「檻に閉じ込められてるような気がするから」と答えたんですね。

なるほど、気持ちは分からないでもない。

でも、まだ彼女は檻に閉じ込められている段階で止まってたんですね。

そうじゃない、ベートーヴェンを演奏することによって聞いている人を檻に閉じ込めなければならない。

熱情なんてその際たるもので、最初から最後までお客さんに身動き一つさせてはいけない。

そのために必要なことは全て書かれてるんです。

人間の心理を知り尽くしたかのように、いや実際知り尽くしてたんでしょうね、

引きつけておいていなくなる、気持ち良くさせといて突き落とす、

そろそろ爆発するのかなと思わせたところではぐらかす、

そんなことを延々と続けて、最後は地の底に落ちていく。

凄まじいエネルギーを持った曲です。

しかし不思議なのは、これだけ人の心をコロコロと転がすようなことを書いているのに、

意地悪な印象は全く受けないんですよね。

だから、きっと本当は優しい人だったんだろうなぁ、という気がする。

自信もすごくあったんだろうなぁ。

じゃないと、作品1-1で変ホ長調なんて調を選べないですよね。

この「檻に閉じ込める」作曲の仕方をベートーヴェンがいつ始めたのかというと、

ピアノソナタで言うと5番からだと思う。

1番もその気がないではないけれど、まだまだ書法が完成してない感じがするんですが、

5番は実に分かりやすい。

怖いまでのエネルギーを持って始まり、それが徐々に収束していくのかと思いきや、実はまだまだ余力があってさらに爆発する。

コンパクトに作られているので若干のあっけなさはありますが。

特に3楽章は面白いですね。

昨日仙台のホテルで一人で譜読みをしながら踊ってたのですが(笑)

そうしたら

悪魔「そっちだよ

いや、あっちだよ

いやいや、こっちだよ~~!

と、見せかけて実はそっちだよ

いや、あっちだよ

いやいや、こっちなんだよ~

おいでおいで

さあさあおいで

ほーら引っかかった

回れ回れ

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる

(いなくなる)」

男「あれ、ここは楽園だろうか、さっきまでいた恐ろしい悪魔は消えたのだろうか」

なんて情景がどんどん浮かんできて楽しくなりました。

そして特筆すべきことが一つ。

この曲にすでに運命の動機が出てくるんです!!

奇しくも同じハ短調。

そういう意味でも、同じような雰囲気が流れているのも分かる気がしますね。

あとは、自分がどこまでそれを表現できるようになるか。

あと1週間。

がんばろcancer

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園田高弘先生メモリアルコンサート

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コンサートの告知を一つ。
来週火曜日、10月8日にトッパンホールで故・園田高弘先生のメ

モリアルコンサートが開かれます。
園田先生自らが主催されていた若手ピアニストのためのリサイタル

シリーズ、僕も2004年11月に出演させて頂いて、本番前には

お宅に伺っていろんな
お話をお聞きしたいと楽しみにしていたのですが、本番直前の10

月7日に突然お亡くなりになったのでした。
急遽プログラムをショパンの葬送ソナタにかえさせて頂いたんです

が、本当に残念でなりませんでした。
その後も奥様が遺志を引き継いでシリーズを続けられていたんですが、今回で最後ということで今まで出た出演者が勢揃いして2日間のメモリアルコンサートをします。
10月7日は平均律全曲、8日はショパンエチュード全曲、
1曲1曲別の演奏者が心をこめて弾き継ぎます。
こんな豪華なメンバーなのであっという間にチケットがなくなるのではないかと思っていたのですが、まだ若干あるようです。
僕は25−9を弾きますが、自分の宣伝ではなく、ぜひとも逃さず聞いた方がいいコンサートなのではないかと個人的に思っています

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せんくら1日目

仙台クラシックフェスティバルに来ていますnote

”せんくら”は2010年に来て以来なので3年ぶり。
懐かしいですねぇshine
秋の色が濃くなりつつある10月始めの東北・仙台。
鮮明に記憶に残っている道筋をたどるように会場に入り音を出す。
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その瞬間、よみがえる音の記憶が・・・・ない。
そうか、前回とは会場は同じでもホールが違うんだ。
しかし、よくよく見るとあの時に見た風景と同じ風景。
なぜだろう、と不思議に思っていると、このホールは去年音響の工事をして大幅に響きが変わったということらしいです。
なるほど、それでだnote
素晴らしい響きのホールに生まれ変わっていて、
前橋さんが来るまでの間バッハなどをぽろぽろ弾いてたんですが、
天国のような響きに包まれて幸せな時間でした。
そして、仙台に来たらやっぱりこれ(笑)
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