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ラフマニノフとの出会い

正月は少しだけ実家で、片付けをしたり練習をしたりしてゆっくりして、

今東京に向かっている新幹線の中です。

旅のお供はリヒテルのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番。

1959年のスタニスラフ・ヴィスロツキ指揮、ワルシャワ放送交響楽団のCDです。

この曲と出会ったのは高校2年の時。

その前からメロディーは知ってたんですが、高3の春にホロヴィッツコンクールに出るからと、先生に勧められたのがこの曲でした。

当時の僕は、コンチェルトと言えばまだグリーグとラプソディ・イン・ブルーを弾いたことがあるだけ。

ラフマニノフはあまりにもレベルの違う難しさでした。

特に3楽章の冒頭などはCDを聞きながら楽譜を見ると、目だけでも追いつかないくらいの速さで、

「これは人間業ではない。こんなものが自分に弾けるようになるんだろうか。」

と愕然としたものです。

確か最初に手に入れたのは、倉敷のヤマハにたまたまあったゾルタン・コチシュのCD。

アシュケナージ(プレヴィン版)も一緒に買ったんだったかな。

それと、どなたかから貸してもらったのか、リリア・ジルベルシュタインもよく聞いてました。

そしてその後このリヒテルの録音と出会うのです。

リヒテルというピアニストは、いまいち気持ちが伝わってこなかったりぶった切るようなフォルテッシモを出すことがあったり、

僕にとっては鉛色の甲冑を着てるようなイメージであまり好きなピアニストではないんですが、

この曲のリヒテルはすごい。

3楽章なんかの全てをなぎ倒して進んで行くような圧倒的な迫力はもちろんですが、

あちこちであのリヒテルとは思えないほどの感情移入が聞こえてくるんです。

それも天を見上げて口を開けて、みたいな感じではなく、何一つ言葉は発さずに表情も変えることなく、それでも心の奥底から湧き出るものが聞こえてくる、という感じでしょうか。

1楽章冒頭からもう泣かせます。

そしてまたオケがいい。

決して上手いオケではないんですが、最初の暗くて深い大河のような調べ、3楽章のクライマックスの壮大な響き、これまた泣かせます。

それにしても今聞くと、リヒテルってかなりオケを無視して弾いてますねf^_^;)

それも、オケごと自分の音楽に引き込んでいくというよりも、ピアノパートに専念してる感じ。

オケのフレーズ感とは全く相入れないルバートがあったりするのでオケ側は大変だったでしょうが、

うまくリヒテルに付けながらもオケの表情も存分に引き出している指揮者がすごいですね。

調べてみるとこの録音以外にはあんまり世に出てない人なんですね。

いい指揮者だと思うんだけどなぁ。

そして音楽的におかしくてもつじつまが合わなくても、そんなことはどうでもいいじゃないかと思わせてくれるほどの見力がリヒテルにあるのも確かです。

さぁ、次回は「一流の一流たるゆえん」です。

お楽しみに(^-^)/

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