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2013年1月

広島でのリサイタル

大事な場所の一つ、広島でのリサイタルが終わりました。


前日から広島入りして、当日はホテルで12時過ぎまで寝て(笑)、準備万端!!

不安なのはトッカータの仕上がりと暗譜だけbomb

ゆっくり準備をして、3時前にホールについて、

それから6時までみっちり弾いてしまいました。

ゲネでそんなに頑張って弾いたら本番疲れてしまうのはわかりきってるのに、

スイッチ入ったら止められないんですよねぇ。

それでも、最後まで突っ走りそうになるたびにいったん止めて仕切り直ししたりはしてたんだけど。

リハのほうがうまくいったこともいくつかあるけど、いつも全力でやってたらそんなこともあるのかな。

懸念のトッカータは、とりあえず持ちこたえました。

とりあえず初回だし、もっともっとこの曲を練習して、いつでも楽勝で弾けるようになりたいな。

ブラームスの6つの小品Op.118は、ずっと弾き続けて来た曲なので、

とりあえずは今日で弾き納め。

今までには出せなかったような音がたくさん出せた・・・気がする。

そしてベートーヴェン。

テンペストと熱情です。

これはもう、なんだか楽しくて仕方なかったなsmile

どこまででも盛り上げられるような気がして、

どれだけ盛り上がっても冷静にコントロール出来るような気もして、

こうなってくるともう上辺のちょっとした歌い回しとかどっちでもよくなってくるんですよね。

そのまま弾けばいい。

そのまま弾けば全て音楽がその境地へと運んでくれる。

自分は音楽のしもべであり、同時にすべてを司る立場でもある。

たくさんの緊張感を体の奥から絞り出したので、最後の方は脇腹が痛かったです。

終わった後は、恐ろしいほどの体の疲れとともに、全力で運動をした後のようなある種の心地よさがあります。

その辺が、終わった後に精神的にズドーンとくるショパンとは全然違うところ。

ちなみに、今回は珍しくアンコールで名曲をいくつか弾きました。

まずは全く趣向を変えてショパン:華麗なる大ポロネーズ(アンダンテ・スピアナートなしで)。

トッカータ弾いて、テンペストに熱情弾いた後で指が回らないかと思ったけど、

どうやら使う筋肉が違うようです。

それからドビュッシー:アラベスク。

そのまま間髪入れずにゴリウォーグのケークウォーク。

楽しかった!!

うん、楽しかった!!

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ブラームス

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ここが好き!!

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浦和〜市川〜青葉台

今日は一日獅子奮迅というか、八面六臂の働きをしました。


いや、ちょっと違うなぁ。

すごいぎりぎりの移動をして忙しかったというだけなんだけど、なんかいい四字熟語ないかな。

まずは朝8時に死ぬ気で起きて、9時半には浦和に。

おなじみ、柏屋楽器でのベートーヴェンの講座です。

悲愴、テンペスト、熱情について語る講座です。

そもそも熱情だけで2時間使ってしまうのに、3曲なんてどだい無理な話で(笑)、

テンペストの2楽章まで来たところでそろそろ1時間後の休憩かな、と思って時計を見ると、

もう始めてから2時間以上たってましたdash

急いで熱情のことを語って、

10時からの講座なのに終わった時には13時前。

13時10分の電車に乗らないと次の予定に間に合わないので、

用意して頂いたお弁当もそのまま持って浦和駅へ。

次は、2月18日と19日のコンサートでご一緒するソプラノのサイ・イェングァンさんとのリハです。

生涯何度目かの武蔵野線に揺られて、

必死に譜読みをしながら東松戸まで行き、

乗り換えが10分あったので駅のベンチでお弁当を頂いて、リハへ。

3時間弱楽しくリハをした後は、山田和樹さん指揮の横浜シンフォニエッタを聞きに青葉台まで。

東京都をまたぐって時間かかるのね。

1時間半もかけて行ってきました。

今日はシューマンのゲノフェーファ序曲、交響曲の4番、2番というオールシューマンプログラムだったんですが、

すばらしかった!!!

特にシューマンの4番素晴らしかった!!

ともすると、「とりあえずみんなで揃って弾けました。良かったね。」という演奏になりがちなこの曲ですが、

一切妥協することなく全ての場面で濃い表情を作り出していて、

涙が出ました。

それにしても、ギリギリで駆け込んで席に座ってみると、

広島つながりのピアニスト萩原麻未ちゃんが隣でびっくりしました。

今や超有名人ですが、元気に活躍してるようで良かったhappy01

「明日からローマなんですが、もうしばらくは日本にいるんです!」って言うから、

どういうこっちゃと思ってよく聞くと、

ローマではなくて群馬の聞き間違いでした。

本番前だけど、こもって練習するよりもどん欲にいい音楽を求めて出かけるその精神、

いいですね!!

僕はともすれば引きこもりになってしまうので、

そして引きこもってるわりには練習あんまり出来ずにだらだらしてしまったりするので、

見習わなければ。

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三重のコンサートは東京から車で前日入りして、


コンサートの後にそのまま車で倉敷まで帰った。

こんなに長い距離を走ったのはずいぶん久しぶり。

車にずっと乗っていると、いろんなものが見えてくる。

三重から帰る途中の空の色はきっと忘れられないんだろうな。

こうやって言葉で説明してもきっと伝わらない。

自分が子供のころはここはこんな風景で、こんな風に空が見えていてねぇ、

なんて感慨深げに昔話をしても、

聞いてる人は「ふーん」って思うだけかもしれない。

でも、音楽家は、

あの空の色も、

あの風の憂いも、

あの海のきらめきも、

あの嵐の激しさも、

あの時感じた悲しみも、

あの時感じた切なさも、

あの時感じた喜びも、

あの時感じた幸せも、

音で表すことが出来る。

なんて幸せなことなんだろう。

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つ、でございます。


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三重県民文化会館。

素晴らしいホールでした!!

いや、失礼ながら津にここまでいいホールがあるとは!!

日本国内で今までに弾いたホールの中でも何本の指に入るような素晴らしい響き、ピアノも素晴らしかった。

そして、今日の前橋汀子巨匠も絶好調でした!!

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月刊ショパン

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今月号の月刊ショパン、

ピアニスト「私のこの一枚」というコーナーに載ってます。

いろんなピアニストが自分のオススメのCDを紹介するこのコーナー、

僕はもちろんホロヴィッツのCDですが、

ホロヴィッツ好きなピアニストはやっぱり多いですねぇ。

嬉しいなscissors

そして、今月号呼んで初めて知ったんですが、

ホロヴィッツとの対話という演劇が来月あるんですね。

これは見なければ!!

時間あるといいなぁclub

では皆さんおやすみなさいdiamond

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岡山フィルニューイヤーコンサート

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今さらですが、岡山フィルとの共演後の、

指揮者の飯守泰次郎さんとのツーショットです。

Facebookとかはその場でかるーく投稿出来てしまうんだけど、

ブログはしっかり内容まで書こうと思うとどんどん遅くなってしまう。

久々のラフマニノフのコンチェルト、

昔の自分という呪縛から少し解き放たれた気がします。

思えば15年も前の日本音コンでこの曲を弾いて優勝した時の放送を見て、

いろんな方が感動したと言ってくださいました。

そして今でも時にその時の演奏の話が出たりします。

それだけ、15年分もの間消えない印象を残すことが出来たということはすごく嬉しいことです。

そしてその5年後の2003年のエリザベートコンクールのラフマニノフはCDにもなりました。

その間5年もの時間が流れていて、ずいぶん自分自身も自分の演奏も変わりました。

そしてそれから10年。

音コンからエリザベートの2倍もの時間が流れた今、自分が変わっているのは当然のこと。

久しぶりに自分のCDを聞いてみたんですが、どうにもひょろひょろした若い音で聞いてられませんでした。

自分の演奏は公正に聞けないもので、

客観的に聞いてくださる人はあれはあれでいいと言ってくださってるのでいいんでしょうが。

でも自分には我慢ができない。

今の自分だから出せる音が出したい。

そんな気負いもあって、昔のテクニックと今のテクニックのせめぎ合いもあって、

気づけば爪の間に血がにじむような無理な弾き方をしていました。

ストイックではない僕はそういう話とは今まで一切無縁だったので、若干嬉しくもありましたが(笑)

そういうわけで、そこからの修正がまた大変で。

そして、一度はこの世に存在する楽曲の中で一番好きとまで思っていたこの曲への気持ちの接し方にまた悩み。

ブラームスは一番心にストンと落ちてくるけど、

ベートーヴェンも大事だしショパンも大好きだし、

ラフマニノフはそれでもやっぱり自分にとってすごく大切な作曲家、

ただそれだけのことなのに、一度は何の疑いもなく一番に愛した曲が今は決して一番ではない、という感覚に気持ちがバラバラになってしまいそうになってたんです。

そんな気持ちも本番4日前くらいからほとんど他には何もせずにひたすらこの曲にだけどっぷりと浸かっているうちに少しずつ整理出来るようになってきて、

ガチガチだった体も少しずつほぐれてきて、

というかほぐす心の余裕が出てきて、

本番は

「頑張らない、頑張らない。

ただ音を奏でよう。」と音楽に身を任せるように弾き始めると、

いい音が出たんです!

いろんなフレーズでいろんな色がホールの天井から見えてきて、

どの方向を見ればどんな音が出るか手に取るようにわかり、

自分の中での新たなラフマニノフが始まった気がしました。

まだまだ煮詰め切れてないところはたくさんあるければ、またどんどんその世界に近づいていけるといいな。

そして今回は自分のことを若い頃から知って下さっている方のたくさんいる岡山フィルとの共演ということで、

ホームで弾いているような気持ちで安心して弾けました。

初めて共演をした時からずっと見て下さってる事務局の方に、

「前に定期に出てもらってから10年、すごく頑張って来られたんだなぁと感動しました」と言ってもらえたのが何よりも嬉しかったです。

次は三重での前橋汀子さんのコンサート。

そして柏屋楽器でベートーヴェンの講座をやってから、

25日には広島でリサイタルです。

1つ1つの本番を大切に、

ちゃんとそれまでに、細切れではない時間を作って気持ちがその音楽を向く状態にしたいものです。

それにしても、ラフマニノフにかかりっきりでシューマントッカータ練習出来てないぞ。。

弾けるのかな~aries

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岡フィルリハ

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死ぬ気で7時半に起きて岡山行きの新幹線に飛び乗って、

岡フィルとリハしてきました。

指揮は久々の飯守泰次郎さん。

前に関西フィルとシティフィルでご一緒したのも覚えて下さってて嬉しかったですね。

全体リハの前に指揮合わせをして、コンチェルトは最後だったので他の曲のリハもちょくちょく聞いてたんですが、

どんどんオケの音が変わっていく。

楽しいですねぇnote

さぁ、明日はいい音出せるかなshine

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ラフマニノフコレクション

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。

3日間連続でカワイ表参道の広いスタジオで練習させてもらったら、ずいぶんいろんなものが見えてきたような気がする。

高2の時に初めて取り組んだ曲だから、もう16年もずっと弾いているのかぁ。

長くやっているからすぐに出来ることもあるし、

長くやっているからなかなか出来ないこともある。

特にこれだけ過去の自分のスタイルを確立してしまった曲になると、

今の自分の音楽性やテクニックに変えていくのがすごく難しい。

音楽性はまだ頭の中の作業だし、弾いてなくても音楽は常に流れているのでどんどん変わっていくんだけど、

久しぶりに弾くとやはり体は正直で、今では絶対にやらないような動きをしてしまう。

そしてそれに気付くのは至難の業だ。

でも今日少し気づけた気がする。

あぁ、遅すぎる~~。もうあさってが本番ではないかっdash

さて、ちょっとクラシックマニアっぽいこともたまには書いてみよう。

うちにある今パッと確認できる限りのラフマニノフの2番の録音リストだ。

・アビー・サイモン       レナード・スラットキン指揮 セントルイス響
・アール・ワイルド       ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮 ロイヤルフィル
・アレクセイ・スルタノフ    マキシム・ショスタコーヴィチ指揮 ロンドン響
・アンドレイ・ガヴリーロフ  リッカルド・ムーティ指揮 フィラデルフィア管
・アンドレ・ワッツ       ドミトリ・キタエンコ指揮 NHK響
・イェネ・ヤンドー       ジェルジ・レヘル指揮 ブダペスト響
・イェフィム・ブロンフマン  エサ・ペッカ・サロネン指揮 フィルハーモニア管
・イヴリン・チェン       レナード・スラットキン指揮 フィルハーモニア管
・ヴィクトル・エレスコ     ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー指揮 ソビエト国立放送響
・ウェルナー・ハース     エリアフ・インバル指揮 フランクフルト放送響
・エレーヌ・グリモー      ヘスス・ロペス・コボス指揮 ロイヤルフィル
・クリスティアン・ツィメルマン 小澤征爾指揮 ボストン響
・クー・ウン・パイク      ウラディーミル・フェドセーエフ指揮 モスクワ放送響
・ゲイリー・グラフマン     レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨークフィル
・ゲザ・アンダ         アルチェオ・ガリエラ指揮 フィルハーモニア管
・ジャン・フィリップ・コラール ミシェル・プラッソン指揮 トゥールーズ劇場管
・ジュリアス・カッチェン    ゲオルク・ショルティー指揮 ロンドン響
・スヴャトスラフ・リヒテル  スタニスラフ・ヴィスロツキ指揮 ワルシャワフィル
・スヴャトスラフ・リヒテル  クルト・ザンデルリンク指揮 ソビエト国立放送響

・セルゲイ・ラフマニノフ   レオポルト・ストコフスキー指揮 フィラデルフィア管
・ゾルタン・コチシュ      エト・デ・ワールト指揮 サンフランシスコ響
・タマーシュ・ヴァーシャーリ ユリ・アーロノヴィチ指揮 ロンドン響
・ディーター・ゴルトマン   ヘンリー・アドルフ指揮 ミュンヘン響
・バイロン・ジャニス     アンタル・ドラティ指揮 ミネアポリス響
・バリー・ダグラス       マイケル・ティルソン・トーマス指揮 ロンドン響
・ベルント・グレムザー    アントニー・ヴィト指揮 ポーランド国立放送響
・ベンノ・モイセイヴィチ    フーゴ・リゲノールド指揮 フィルハーモニア管
・ミハイル・ルディ       マリス・ヤンソンス指揮 レニングラードフィル
・ワルター・ギーゼキング  ウィレム・メンゲルベルク指揮 コンセルトヘボウ管
・ラン・ラン           ヴァレリー・ゲルギエフ指揮 マリンスキー劇場管
・レフ・オボーリン       アレクサンドル・ガウク指揮 モスクワ放送響
・小川典子           オーワイン・アーウェル・ヒューズ指揮 マルメ響

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そしてその理由

そうだ、まだ書きたいことがあるんだった。

なんで初心に戻ろうと思ったか。

ある時ラフマニノフも2番を高関健さんと共演した時に言われたんです。

「あなたより速く弾いたのはガヴリーロフだけです。」

3楽章のことですね。

別に怒られたわけではないし、もちろん褒められたわけでもないんですが、

特に速く弾いているという自覚のなかった僕はそのことにびっくりしたのでした。

そのわけがようやく今分かった。

リヒテルとコチシュがとんでもなく速いんです。

そしてそれが自分にとっての普通のテンポだった、と。

当時の僕はとてもそんなテンポでは弾けなかったので、できる限り早く弾くというのが自分にとっての音楽でした。

そのうちテクニックも上がってきて、出来る限り速く弾いていると今度は自分がとんでもないテンポなってしまった、と。

長年体が慣れてしまっている曲なので、ある部分にくると「ここは難しいところだから頑張って速く弾かないと」と体が勝手に反応してしまう。

でも、今の自分にとってはきっとそこまで難しいところではなくて、

むしろ表情をつけることを最優先したくなるパッセージかもしれない。

リヒテル録音に出会ってやはり感動したとしても、同じように弾きたいとは思わないかもしれない。

初めてこの曲に出会った視点でもう一度じっくり感じれば、今だからこそ分かる感動もたくさん感じられるかもしれないのです。

もちろん今まで積み重ねてきた時間の流れはそこに残したまま。

あぁ、年を重ねていくというのはこういうことなのかな。

経てきた時間の流れの重さを忘れるわけでもなく、

時間に流されて今を捨ててしまうことでもない。

そしてそれはきっと、「今」が充実していないと出来ないこと。

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初心

そうだ、初心に戻ろう。

初心に戻るというのは「昔のように弾く」ということではなくて、

「今この曲と初めて出会ったつもりで弾く」こと。

ラフマニノフのコンチェルトに出会い深い感動を覚えながら取り組んだあの時の気持ちで、

今の技術と音楽を持った今の自分としてもう一度取り組む。

さぁ、やってみよう!

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一流の一流たるゆえん

さて、続きです。

別にシリーズにしたかったわけではないんですが、書いてるうちにどんどん長くなってきたので分けてみました。

リヒテルを聞きながら、やはりこの人は巨匠だなぁ感嘆すると同時に、

そういう人の演奏は何が違うのだろうとつらつらと考えていました。

ホロヴィッツしかり、コルトーもアルゲリッチもグールドもポリーニも、

ちょっと昔だとルービンシュタイン、ケンプ、バックハウスも、

名前のずっと残っている人たちの演奏には一味違うところがありますよね。

その逆に、テクニック的にも音楽的にも全てを兼ね備えてるのにいまいち魅力を感じない演奏家もいます。

何が違うんだろう。

こういうことは、もちろん自分が演奏する時にたくさん考えるのは当然なんですが、

レッスンをしていてもよく悩むところです。

こういう一流を超えた超一流の人の演奏に触れると、

例え好きではなくとも、例え理解ができなくても、

ふとした瞬間に無性にまた聞きたくなるんですよね。

僕にとってはまさにリヒテルがそう。

何故あんなに閉ざした心で弾くのか、何を語りかけたいのか全く理解ができないことが多い。

でも、無性に聞きたくなる。

それはきっと、僕自身の感性や好みをはるかに超越したところにいるからなんでしょうね。

グールドやポリーニもそう。

ラフマニノフのコンチェルトに関していえば、ゾルタン・コチシュもそうですね。

速い。とにかく速い。

どんな難しいフレーズも涼しい顔で弾き切って、特に凄まじい迫力を出すわけでもない。

でもなんだか聞きたくなるんですよね。

そういう分析のできない意味の分からない魅力って一体何なんだろう。

突き詰めると結局その人の人間としての魅力だと思うんですよね。

よく言われることではありますが。

すごい超一流の演奏に触れ、

自分で演奏する時にも悩み、

また生徒たちをどうやって引き上げていくか真剣に考えているうちに、

本当に実感を持って感じるようになったことです。

ピアノを弾くという作業はしゃべるのと同じ。

僕たちが当然のように日本語をしゃべれるのと同じように、

ピアニストにとってうまく弾けることは当たり前なんです。

きっと。

それは単なる道具であって、その道具を使って表現したい世界観にはその人とのものが出るのでしょう。

全く同じ内容、同じように言葉を言っても、言う人によって全く印象が変わるのと同じですね。

ルドルフ・ブッフビンダーは「ピアノを練習すると同じくらいの時間を本を読んだり美術館に行ったりすることに割いています。内面が豊かにならないと豊かな音楽もできないから。」と言っていました。

ブラームスやベートーヴェン同じようなことを言ってますね。

ここで大事なのは、何が自分を一番豊かにしてくれるか、ということを知ることですね。

彼らにとっては本を読むことが豊かになる道筋だったのでしょう。

でも、宿題のように本を読んでも全く意味がない。

ある人にとってはたくさんのひとに会うことが自分を豊かにする方法かもしれないしl

ある人にとっては家に閉じこもることかもしれない。

ある人にとっては大自然の新鮮な空気を吸うことかもしれないし、

またある人にとっては夜の街に繰り出すことかもしれない。

ある人はその結果人格者のようになるかもしれないし、

ある人は気難しい困った人になるかもしれない。

結局大事なのは感受性を豊かにして、あるがままの自分を受け入れ、そしてそれを出すということなのかな。

んーー、もっともっとたくさんのことを考えていたはずなのに、

文章にすると薄っぺらくなるなぁ。

説明しようとすればするほど限定的な世界になってしまう気がします。

これは僕の文章力の限界。

少なくとも今の時点では。

あとは音で表現!


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ラフマニノフとの出会い

正月は少しだけ実家で、片付けをしたり練習をしたりしてゆっくりして、

今東京に向かっている新幹線の中です。

旅のお供はリヒテルのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番。

1959年のスタニスラフ・ヴィスロツキ指揮、ワルシャワ放送交響楽団のCDです。

この曲と出会ったのは高校2年の時。

その前からメロディーは知ってたんですが、高3の春にホロヴィッツコンクールに出るからと、先生に勧められたのがこの曲でした。

当時の僕は、コンチェルトと言えばまだグリーグとラプソディ・イン・ブルーを弾いたことがあるだけ。

ラフマニノフはあまりにもレベルの違う難しさでした。

特に3楽章の冒頭などはCDを聞きながら楽譜を見ると、目だけでも追いつかないくらいの速さで、

「これは人間業ではない。こんなものが自分に弾けるようになるんだろうか。」

と愕然としたものです。

確か最初に手に入れたのは、倉敷のヤマハにたまたまあったゾルタン・コチシュのCD。

アシュケナージ(プレヴィン版)も一緒に買ったんだったかな。

それと、どなたかから貸してもらったのか、リリア・ジルベルシュタインもよく聞いてました。

そしてその後このリヒテルの録音と出会うのです。

リヒテルというピアニストは、いまいち気持ちが伝わってこなかったりぶった切るようなフォルテッシモを出すことがあったり、

僕にとっては鉛色の甲冑を着てるようなイメージであまり好きなピアニストではないんですが、

この曲のリヒテルはすごい。

3楽章なんかの全てをなぎ倒して進んで行くような圧倒的な迫力はもちろんですが、

あちこちであのリヒテルとは思えないほどの感情移入が聞こえてくるんです。

それも天を見上げて口を開けて、みたいな感じではなく、何一つ言葉は発さずに表情も変えることなく、それでも心の奥底から湧き出るものが聞こえてくる、という感じでしょうか。

1楽章冒頭からもう泣かせます。

そしてまたオケがいい。

決して上手いオケではないんですが、最初の暗くて深い大河のような調べ、3楽章のクライマックスの壮大な響き、これまた泣かせます。

それにしても今聞くと、リヒテルってかなりオケを無視して弾いてますねf^_^;)

それも、オケごと自分の音楽に引き込んでいくというよりも、ピアノパートに専念してる感じ。

オケのフレーズ感とは全く相入れないルバートがあったりするのでオケ側は大変だったでしょうが、

うまくリヒテルに付けながらもオケの表情も存分に引き出している指揮者がすごいですね。

調べてみるとこの録音以外にはあんまり世に出てない人なんですね。

いい指揮者だと思うんだけどなぁ。

そして音楽的におかしくてもつじつまが合わなくても、そんなことはどうでもいいじゃないかと思わせてくれるほどの見力がリヒテルにあるのも確かです。

さぁ、次回は「一流の一流たるゆえん」です。

お楽しみに(^-^)/

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新年あけましておめでとうございます

皆さん、新年あけましておめでとうございますhappy01

どんなお正月を迎えていますか?
僕は実家でのんびりしています。
あ、練習もしていますが。
お正月はやはりお雑煮。
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・・・・というのが定番ですが、実はあまり好きじゃなかったりします。
薄いしょうゆのつゆに味のないおもち。
とっかかりがなさすぎてどうにもならないので、僕だけは小さい頃からあんこ餅を入れてもらってます。
意外と合いますよ。
皆さんはどんなお雑煮食べますか?
ちなみに、やはりお雑煮よりこっちのほうが落ち着きます。

Photo
さて、新年最初のコンサートは1月13日の岡山フィルハーモニーの定期。
1年半ぶりのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番です。
指揮は大好きな飯守泰次郎さん。
関西フィルで2003年に、東京シティフィルで2004年に共演させて頂いてからずいぶん久しぶりの共演です。

楽しみだ〜〜note

それから、1月25日には東京・岡山に次いで大事な拠点である広島でリサイタルがあります。

ほとんど10月31日のリサイタルと同じプログラムですが、

シューマンのトッカータなんて難曲を入れてしまったので、今からヒィヒィ言ってます。

2月は例年はコンサートの少ない月なんですが、今年は大忙しです。

特に16日の前橋汀子さんとのコンサートから、小林美樹ちゃんとの共演、

アナウンサーさんとソプラノの崔さんとの共演が2回と、

4日連続のコンサートというハードスケジュールもあります。

3月は久々の岡山出身の芸大コンサートへのゲスト出演、三浦君との共演、

そして、7年間お世話になったヒロシマミュージックフェスティバルから独立して今回から有志で立ち上げた室内楽セミナー、「第1回カンマームジークフェスティバル in 呉」もあります。

こじんまりした形でもいいので、室内楽を楽しみにしている受講生たちのために続けたいと立ち上がったのですが、

果たしてどんなセミナーになるか、期待と不安でいっぱいです。

それから、別に年が変わったから思う訳ではないのですが、

最近自分の技術を向上させることをおろそかにしていた気がするので、

音楽の中身だけでなく、指ももっともっと鍛えて、俊敏かつ強靭なテクニックを手に入れたいなぁと思っています。

今年も一年、応援よろしくお願いしますshine

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