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ベートーヴェンとショパンの講座 in 福山

去年に引き続き福山で講座をやってきました。

前回はペダル講座だったので、今回はまずはベートーヴェン熱情の解説。

前半1時間弱くらいで全楽章のことをしゃべって、

と思っていたのに、ほとんど1楽章のことだけで終わってしまいました。

言いたいこと山盛りだし、最初の1ページだけでもあんなに解説する要素がたくさんギュッと詰まってるこの曲が素晴らしい。

紐解く側は何年、何十年かけてやっていけばいいんだけど、

ベートーヴェン自身は最初っからここまでのことを全部考えた上で作ったということですもんね。

すごすぎるわー。

そして後半はショパンについて。

特にあまり曲は決めずに全体的にショパンについて感じることを演奏しながら話していったんですが、

これまたここ何年かずっとショパンを聞いてるので、

言いたいことがたくさんありすぎて全然終わらない。

24時間講座とか出来そうですcoldsweats01

ベートーヴェンとショパンという組み合わせは自分で考えたわけではなくて、

依頼されたからなんですが、

その副産物として、両作曲家の音色の違いなどにも着目してみると、さらにいろいろ見えてきました。

当然なんですが、ベートーヴェンとショパンの音色って全然違う。

岩のような音を必要とされるベートーヴェン、

フォルテシモでも美しく歌える、それでいてエネルギーに満ちた音が必要なショパン。

熱情3楽章の減七の和音の連続は、最高に緊迫感のある音で弾きたいですが、

同じ弾き方でショパンのソナタ3番を試しに弾いてみると耐えられないくらい汚い音色に聞こえる。

逆にショパンの壮大なレガートのフォルテシモの弾き方で熱情を弾くと、全く物足りなく聞こえる。

弱い音も同じで、

例えば熱情2楽章の第3変奏の右でのシンコペーションの弾き方でノクターンなんか弾くと、

全部の音がコツンとかゴツンとかいって耳をふさぎたくなる。

逆をやると今にもか細く消えそうでフラストレーションがたまる。

面白いもんですねぇ。

かつて師匠のパスカル・ドヴァイヨンに言われた衝撃の一言があって、

「ベートーヴェンに美しいサウンドは必要ない」

というもの。

その頃僕は31番のソナタなんかを弾いてたんですが、

毎回、

「君のベートーヴェンは美しすぎる」と言われていました。

別にベートーヴェンでも美しく弾けばいいじゃないか、なんて思ってたんですが、美しい流麗な音を出してしまうと逆にベートーヴェンの温かく包み込むような美しさが出ないんですね。

例えばピアノ協奏曲4番の冒頭。

天国的な表情を出したいところですが、

意外と一音一音はちょっと固めくらいのほうが和音全体として温かく聞こえたりする。

面白いものですねぇ。

ちなみに僕は講座をやる時は、ほとんどあらかじめ組み立てをせずに本番に臨むんですが、

そのほうがどんどん言いたいことが湧き出て来るんですね。

そしてしゃべってるうちにさらに考えがまとまったり、新たな発見があったりする。

レッスンも同じですが、

こうやって演奏家としての自分も同時に高めていけるというのはいい機会ですねぇ。

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