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変わらないもの

17日のカワイコンサートのトリを飾った田崎悦子先生。

彼女は実は僕が13年前(!!)に日本音コンで優勝した時に、

最も高く評価をして下さった方なんです。

それから何回かお話する機会もあってすごく応援して下さってたんですが、

今回こんな巡り合わせですごく久しぶりにお会いすることが出来て嬉しかった。

自由奔放で素敵な雰囲気は10年経っても全くお変わりなく、

先生もクールに再会を喜んで下さいました。

田「あなたなんかすごい曲弾くのねぇ?直前で本番が聴けないから聴かせてくれないかしら?」

松「あ、もちろんです!!ぜひ聴いて頂きたいです!!」

田「最近この曲ってはやってるのかしら?」

松「そうですねぇ、結構いろんな人が弾いてるみたいですねぇ。」

田「あなたはずいぶん長いことやってるの?」

松「いや、まだまだ始めたばかりで、なので未完成と言うか何というか(もじもじ)・・・」

と言ってヴォロドス編曲トルコ行進曲を弾き始めた瞬間、

(ん?そういえばトルコ行進曲はチラシに書いてないし、もしやこれじゃない?)

とか思ったけど、そのままとりあえず最後まで弾いてみたんでした。

ジャジャーーンと派手に弾き終えたその瞬間漂った若干の気まずい空気。

やはりお互い思ってた曲が違ったのでした(笑)。

気を取り直してシャコンヌを演奏。

本番40分前だったけど、本気モードで。

昔の演奏を聴いていて、しかもその時の演奏をすごく良いを思っている人に聴いてもらうのって、

すごく怖いものなんです。

「変わってしまったね。」

「あの頃のほうが魅力的だったね。」

って果たして言われないか。

すごくそれが心配になってしまう。

ご自身演奏家で、確固たるポリシーや世界観を持っていて、

その上で僕の演奏を手放しで評価して下さった方ならなおさら。

全てのことを見抜いているような、深くて鋭い目で聴き始められるものだから、

さらになおさら。

でも、

弾き終わった瞬間に

「ブラヴォー!!」

「変わっていなくて良かった。これが聴きたかったの。」

と言って下さって、本当に嬉しかった。

自分の持ち味は残しながらも変化すること、

いや、違うなぁ、

変化するのは自分の持ち味をさらに深く表現できるようにするためのもの、

かな。

それがうまく出来てたってことかな。

ここ最近、すごく落ち着いて音と音楽と向かいあえている気がする。

落ち着いて、深く息を吸って、

なかなか昔は出せなかった包み込むような音色、語りかけるような音色も出せるようになった。

より大きなクライマックスを形作れるようになった。

もっといろんな曲を弾きたい。

今まで弾いてきた曲ももっともっと深めたい。

もっと偉大なる作曲家とお友達になりたい。

もっと魂をこめたい。

もっと近づきたい。

これから、自分の根源の部分、

自分という人間とその音楽の存在理由、

それは決して忘れることなく、

その上でどれだけ変わっていけるか、

やってみよう。

もっと突き詰めてみよう。

全ては音のために。


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音楽」カテゴリの記事

コメント

なんかこういう事があったんじゃないかしらと想像していたのですがやっぱりあった光景ですね。音コンの田崎さんのコメントはしっかり覚えていますよ~。嬉しいですよね!

投稿: とかちゃん | 2011年5月20日 (金) 06時18分

>「最近この曲ってはやってるのかしら?」
>「あなたはずいぶん長いことやってるの?」

と言われたら、それはヴォロドス編のほうだと思ってしまいますよねえ(笑)。

田崎先生とはそういう過去(?)がおありだったのですね。かわらぬ賞賛をいただけたことってほんとにすばらしいことだと思います。
あらためて・・・
おめでとうございます!

投稿: いぞるで | 2011年5月20日 (金) 04時45分

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