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NOA Concert Vol.1~ショパン:ピアノ協奏曲第1番

今年5回目のショパンのコンチェルト、

オケも素晴らしいので、自由自在にやりたいように歌って遊ぶことが出来て、

楽しかった

今回のための寄せ集めのオケとは思えない完成度でしたね

新宿文化センターも、音コン直後に1回弾いて以来、11年ぶりだったんですが、

こんなにいいホールだと思わなかった。

何よりもピアノが素晴らしかったですね

どんな繊細なピアニッシモを出しても隅々までピンと芯のある音で届く感じで、

すごく弾きやすかったですね

それにしても、

この曲もずいぶん手の内にはいってきた感じはするけれど、

やっぱり一回一回が戦いというか、勝負です。

毎回毎回、リハでたくさん課題が見えて、

ゲネプロでそれを解決するための方向性が見えてきて、

本番ではっちゃける、というのの繰り返しです。

毎回振り出しに戻ってるわけではなくて、少しずつ良くなってるんだと思いたいですが

結局、ある程度スキルがついてきて、音楽性や知識もついてくると、

最後は気持ちの勝負になってくるわけですよ。

誰でもやっぱりどこまで行っても本番は怖い。

何が起こるか分からない。

ほんの一瞬集中力が途切れただけで、全てを壊してしまうようなことにもなりかねない。

それも、何百人ものお客さんの目の前で。

完璧に準備ができた、なんて状態はありえないし、

どれだけ準備をしていてもやっぱり不安は付きまとうもの。

特にコンチェルトの時はそれが顕著な気がします。

そういう本番の恐怖から決して逃げてはいけない。

若いころ、まだ本番が月に1回くらいしかないような頃は、

たまにそういう緊張感を経験するのもいいもんなんです。

でも、だんだんキャリアを積んできて、それが週に1回、2回、3回となってくると、

やっぱりしんどい。

その恐怖から逃れるのは簡単なんです。

ちゃちゃっと楽にこなせばいいんです。

スキルがあるから、ちゃちゃっとこなしてもちゃんと弾くことも音楽的に弾くことも出来る、

本番直前まで普通に日常生活のような気持ちで時間を使って、その辺のカフェに遊びに行くくらいの感じでステージに出ていく。

要は自己防衛ですな。

それで自分は安全なエリアにいられるわけです。

でも、そんな姿勢では9割まではいい音楽出来ても、最後の1割を越えることは出来ない。

だからといって、

その恐怖から逃げることなくブルブル震えて、ようやく演奏の最後のほうになって恐怖に打ち勝った、

なんていう演奏を聴きにお客さんは来てるんではない。

緊張感をなくし過ぎず、

しかしガチガチにならず、

ステージに出る直前に「よっし、今日は行ける!!」という確信に満ちた心持になれるように、

自分自身をマインドコントロールして持っていくことが大事なんです。

あらゆる方法をつかって、気持ちを操る。

自分がどんな状態のときに一番いい音が出せるか知って、

今現在どういう状態なのかを把握して、

そこからベストの精神状態に持っていくためにはどういう考え方や感覚が必要か考えて、

そうやってようやくステージに出るわけです。

本番っていうのは、ある意味、自分の極限状態と向き合うような機会なわけですよね。

命の危険も伴うような極限状態を経験している人から見れば、ほんの軽いことなのかもしれないですが、

でもそれを通して、自分という人間や、この世界や、音楽というものや、

そのほかの、のんべんだらりと毎日生きてたら絶対見えないようなものが見えてくる。

なかなか得られない経験です。

そして、そんな状況の中でしか出せないような音がまたある。

しぼりきったと思った雑巾を、もう一度頑張って絞ってきたらあと一滴水が出てきた、

というその、あと一滴が本番の緊張状態でないと出てこない。

そして、その一滴で音がガラッと変わる。

本番マジックですね

NOA ConcertはVol.1と書いてあったので、

もしかしたらVol.2とかVol,3とかあるのかな~~

またこんな素晴らしいメンバーと一緒にやりたいですね~~

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コメント

すばらしい演奏会、ありがとうございました!
上京して良かったです。それにしてもほんとにいつ練習されているんですか?ナゾ過ぎます。
第2楽章、一瞬、風と香りとぬくもりがリアルにきました・・・・・不思議体験でした。

投稿: いぞるで | 2010年4月 5日 (月) 00時19分

松本さん、金曜日はお疲れ様でした♪舞台での凛々しいお姿が今でも印象に残っています
待ち焦がれていたショパンコンチェルトをやっと聴くことが出来ました松本さんの音は優しくて美しくて・・・楽しい時間は本当にあっという間に終わってしまいますね終わった後はいつも勇気をいただいてHAPPYな気持ちになりますありがとうございましたそういえば午前中は雨でしたね

投稿: MIKI | 2010年4月 4日 (日) 23時41分

いつも貴重な内容のブログ、本当にありがとうございます。
こんなに心のこもったピアニストブログは、どこを探しても見つからないと思います。
更新回数だけではなく、内容共にギネス入りです(^^♪
感謝!!

投稿: chiarina | 2010年4月 4日 (日) 00時56分

聴きに行きました♪

聴き終わってから、一緒に行った友達と、ちょうどこの記事のような話したからちょっと驚きです。

キャリアも積んで、たぶん短期間の準備でも素晴らしいものを聴かせる力が付いてきたからこそ難しい部分ってあるんだろうと思うんですが、松本くんはその辺すごく上手くコントロールしてるなと感じました。

ますます向上しているテクニックには本当に驚愕したし、音色の多彩さにも溜息。
本当に素晴らしい、プロの演奏でした♪
やっぱり、松本くんの演奏はコンチェルトが一番好きです
また聴かせてくださいね!!

投稿: ひさりん | 2010年4月 3日 (土) 21時06分

松本さん、昨晩は素晴らしい演奏をありがとうございました!
大盛況でしたね~
1800人?近い聴衆を前に、怖くないのかな~と思いましたが、やはり修行を積んでいらっしゃるんですね~敬服!
松本さんの奏でるショパンは、薄氷が割れるように清冽で美しく、繊細でした。松本さん独特の、水晶が砕かれて宇宙にキラキラ散っていくimageなるピアノの響き。
一音一音にショパンの魂がこもっていて、感動しました!
orchestraも良かったですね♪
シベリウスの交響曲第二番、かっこよかったです♪
フィンランドの大自然に包まれて、森や湖や霧やオーロラとともに古代北欧の神々が現れました!(特にtimpani、素晴らしかったです♪)シベリウスの交響曲第二番、大好きな曲になりました。
ありがとうございました♪
次はいつか松本さんのブラームスのピアノ協奏曲一番&二番を聴きたいです♪

勝手に楽しみにしていま~す

投稿: 手鞠猫 | 2010年4月 3日 (土) 05時47分

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