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フィギュアスケートなどなど

テレビも新聞もネットも、世の中の話題はバンクーバーで持ちきりですねsign01

僕はほとんど見れてないですが、モーグルは上越のホテルで生ではないですが見れました。

上村愛子選手、いい目をしてるなぁconfident

滑る直前の何かを見据えるような、それでいて気負い過ぎてない、いい意味で力の抜けた目も、

メダルが取れない悔しさがありながらも、力の出し切れたという満足で涙を流す目も、

やっぱりスポーツ選手はスポーツの場にいる時が一番輝いてますねshine

個人的には高橋大輔君の滑りが見れなかったのが残念sign03

彼のおかげで、我らが倉敷のサンピアもよくテレビに出ますね~(笑)。

よくあそこには友達とスケートに行ってたので、もしかしたら小さい頃の高橋君と会ってたりしないのかなconfident

そして昨日は、レッスンとレッスンの合間のちょうどいい時間だったので、

女子フィギュアのフリーがようやく見れましたshine

銀メダルでも悔しくて涙を流さなきゃいけないって、過酷な運命だなぁ。

普通だったらきっと銀メダルでも喜びを爆発させるような場面だろうに。

勝負の世界って非情ですね。

一つのジャンプが飛べるか飛べないかで順位が変わってしまう。

ピアノだったら、

「さ~~、リストのピアノ協奏曲始めました、果たして松本選手は最初の跳躍を全部外さずに弾けるでしょうか!!」

みたいな感じなのかな(笑)。

「着実にはめてきましたが、少しゆっくり弾いてしまったので減点があるようです。」

「アンドレアス・ケルン選手は、30小節目の3オクターブの跳躍を0.08秒で弾いたので、これは世界最高記録になります。」

みたいなsweat02

いや~~~、そんな世界無理だdash

僕はそもそも、しょっぱなからいきなり難しいパッセージを確実に弾く、というのがすごく苦手なので。

特にリサイタルをたくさんやるようになってからは、2時間かけてだんだんクライマックスに持っていく、という体になってきたような気がします。

コンサートの最後の方にはもう、どんな難所が来ても怖くないんですけどねぇ。

だから、演技の一番最初にトリプルアクセルを持ってくる、ってのが僕には信じられない。

ああいう競技を見てると、つくづく音楽家で良かったな、と思いますcoldsweats01

まず、生涯現役でいられるということ。

あ、これは楽器にもよりますが、ピアノは最も息の長い楽器の一つでしょうねぇ。

だから、生涯かけてより良いものを追及していける。

今出来なくても、求め続ければいつかそのうち出来るかもしれない。

僕も、ようやくこの年になって出来るようになってきたこともかなり多くて、

音楽の内容的なことはもちろんですが、

テクニックも10年前より、5年前より、

多分1年前より、

確実に成長してると自信を持って言える。

これがスポーツ選手だったらそろそろ引退を考えなきゃいけない年なんだなぁと思うと、

信じられないです。

若いころのように勢いと体力だけでぶつかっていくんじゃなくて、頭も使えるようになって、いろんなことができるようになってくるのに、

その時にはもう体は動かなくなっている、というのはなんだか残念な気がしてなりません。

ピアニストももちろん年を取ればテクニックは衰えていくんだろうけど。

自分の場合はいつ頃それが来るのかなぁ。

50,60になるとボロボロになってしまう人もいるし、

ちょっと特別過ぎる例かもしれないけど、

アルゲリッチみたいに60半ばになっても、若いピアニストでも誰もかなわないくらいのテクニックでプロコのコンチェルトをバリバリ弾ける人もいるし。

僕はなぜか、長いこと練習しなくてもあんまりテクニックが落ちない体質みたいなので、

長持ちするのかな。

それとも、短い時間で仕上げるのをやりすぎて消耗してしまったりするのかな。

どっちにしても、モチベーションさえ失わなければ、

たとえ年を取って指が動かなくなっても、

ちゃんと自分の体と相談しながら、無理に若いころと同じように弾こうとせず、

その時の自分のテクニックを分かった上で自分の音楽をそれに乗せていくようにすれば、

きっとどんどんいい音楽が出来るようになるはず。

しかし、「いい音楽」って何でしょうね。

フィギュアスケートのように明確に点が出てしまうものではなくて、

聴いて下さる方の感動や、いろんな人の評価が指標という、

極めてあいまいな世界。

順位が人に見えないからわかりにくい部分も難しい部分もあるけど、

だからこそ、

「誰が誰よりすごい」じゃなくて、

「この人もいいけど、この人も素晴らしい。」というのが成り立つ世界。

自分にとってはこの世界に足を踏み入れたのは良かったんだと思います。

僕はこう見えても(どう見えてるか分りませんがcoldsweats02)負けず嫌いの完璧主義なので、

成果が点数とかで目に見える形なものの時は、点数を取るのが大好きになってしまうんですよね。

小学校とかのテストはいつもワクワクでした。

そのくせ見直しとかは嫌いで詰めが甘いものだから、どっかでミスをしてしまって決して完璧には手が届かない。

そのうち形を変えていって、高校の時とかは、いかにみんなより早く答案を仕上げるか、ということに情熱を注いでました(笑)。

鬼のように早く問題を解いて、誰よりも早く寝る、みたいな(笑)。

当然見直しなんかしてる暇がないので、微妙な点しか取れないわけです。

こんな性格なので、フィギュアのように完璧さを求めてそれで点が出るような種類のものだったら、

完璧にやって点を取りに行くことにばっかり意識が向く癖に、完璧にも出来ずに、

ものすごく中途半端なまま終わってたと思うんですよね。

そんな僕にあえて神様が、

曖昧でどれだけ探究しても明確なゴールが見えない音楽というものを、与えてくれたんではないか、と。

目先の成果ばかり見てたらお前はダメになるぞ、

どこに進んでいくのが正解なのか何も見えなくても、それでもたゆまず道を探し続けて、

そして最後までその道が見つからないような種類のものを与えてやろう、と。

音楽がなければ、自分の心の内をのぞき見ることもなかっただろうし、

人にも優しくなれなかったかもしれない。

ショーバーが「An die Musik」という詩を書き、シューベルトがそれに曲をつけた気持も、

今なら心に染みわたるように理解出来る気がします。

さて、長くなった。

明日も朝から倉敷ジュニアフィルの練習ですhappy01

早起き早起きdash

おやすみなさいshine

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コメント

私もある曲の大量CDの秒数の平均値より下回らないスピードを目指し弾いていたら、飲み友達のピアニストに「オリンピックに出るの?」「タイムは競わなくていいのよ」と言われました。

投稿: 山本千香子 | 2010年2月28日 (日) 19時39分

松本さん、最初の実況中継面白かったです
真央ちゃんとキムヨナさんは宿命のライバルですよね~eye
でもお互いの存在でお互いを極限まで引っ張り上げてるんだから、一見ライバル関係に見えても裏では誰にも代え難い二人だけの絆があると思いますconfident
あの短い時間の演技を見せるのに、どれだけの練習の積み重ねがあることか!
フィギュアもピアノも似てますね
(高橋大輔さんと松本さんも似てます!)
ライバルと言えば、ルービンシュタインとホロビッツもライバルでしたよねeye

しかも二人とも晩年がまた凄いし!
ルービンシュタインが95才で、目が見えない中でひいた、ブラームスのピアノ協奏曲第一番(確かイスラエルフィルと共演)はもぅ奇跡としか思えないです!松本さんは若くて才能に溢れているのに、謙虚でお優しいですよね。
頭が下がりますです。m(_ _)m

投稿: 眠り猫2 | 2010年2月28日 (日) 16時25分

>「着実にはめてきましたが、少しゆっくり弾いてしまったので減点があるようです。」

>「アンドレアス・ケルン選手は、30小節目の3オクターブの跳躍を0.08秒で弾いたので、これは世界最高記録になります。」

これ爆笑しました!!!
お腹痛い!
ぜひとも一度、こんなコンサート(?)見てみたい!

「フィギュア風に実況されるコンサート」、そうなると、クラシックファンが増える・・・・・・わけないか。笑

でも、DVDに副音声で、「ここ、ここが松本の技術の見せ所なんですよねぇ」とか、いろんな人が解説してるのとかあったら面白そうです!

話は全然変わるんですが、「あったらいいな」って思うDVDに、室内楽の、最初の合わせからリハ、本番まで全部収録されてるっていう超長いもの、があります!
どうやって音楽が変化しているのか、とか、その過程を見られたら楽しいだろうな~って思うんです♪

話を戻して!
最後、音楽が息の長いものでよかった、っていう話では、ジーンときちゃいました。
一生その芸術に生きられる、って、すごいことだなあ。
おじさんピアニストになったとき、どんな音を奏でておられるのか楽しみです!

投稿: ミナ | 2010年2月28日 (日) 15時59分

こんな時間でも、ブログを読ませて頂いて目がさえました!shine何度もなるほど!!はへ〜っ!っとなりました最初の実況おもしろかったです(笑)

投稿: ぴぃこ | 2010年2月28日 (日) 03時34分

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