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向き合う

暗い空を引き裂くように目覚ましの音が聞こえる。

永遠に夜が明けないのではないか、と思えるような空。

初めてそこで、それが朝だったのだと気づく。

昨日見たすがすがしい夕空はどこに消えてしまったんだろうなぁ。

静かなホールの壁を打つピアノの音色のように、雨の音だけが薄暗い家の中に聞こえてくる。

あとは静けさだけ。

そんな日は、

考えろ、

考えろ。

向き合え、

向き合え。

自分の心の深淵を首を伸ばして覗き込め。

心のうちに隠れたエゴ、

諦め、

人の優しさ、

自分の冷たさ、

創造するということの孤独、

作曲家の魂の声、

探して、求めて、ようやくたどり着いたところにあった闇、

忙しいというのは心を亡くすこと、

常識のコートの下に隠された今にもガラガラと崩れそうな鋭い感受性、

押しとどめているもの、

踏みとどまっているもの、

出しきれないでいるもの。

心の中をえぐり出して、

それを何食わぬ顔をして上品に提示する、

そんな芸術。

それが芸術?

向き合え

向き合え。

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コメント

むっ松本さん凄い!禅の修行みたいですeye
自己批評の精神はとても大切だと思います。(・ω・)/
ただ優しいだけの演奏だったら輪郭がぼやけてしまうし。

やはり冷たい位の鋭さがあって初めて暖かさも生きるといいますか。
うまく言えませんが。
絶望と希望とか、光と闇とか、愛と憎しみとか、相反するもののぎりぎりの間に「美」ってあるのかもしれません。

投稿: 眠り猫2 | 2009年12月 3日 (木) 23時52分

>自分の心の深淵を首を伸ばして覗き込め

勇気が要ります。
心の淵には、底に行くほど醜いものが溜まっているようで、出来る事なら見たくない・・・

表現するという事は、それに向き合う強さが必要なのですね。
真実を見極め、自己を見つめ、受け入れる強さが。
おっしゃるとおり、忙しさを言い訳に逃げているかもしれません。いつまでもそれではダメですね。私もささやかではあっても前進しなければ。

ありがとうございます。

投稿: ひなまま♪ | 2009年12月 3日 (木) 20時02分

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