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ピアニスト松本和将の「効果的なペダルのテクニック」公開講座 in カワイ表参道

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カワイでの公開講座も、無事終わりましたnote

演奏の合間にしゃべるのはずいぶん慣れたんですが、

ほぼしゃべるだけ(もちろん実演交えながらではありますが)というのは、

予想外に緊張するもんだなぁと思いながら始めたんですが、

別に講演とかいうわけではなくて、演奏のことについてしゃべってるわけなので、

どんどん次から次へと言いたいことが出てきて、

気がついたら始めてからゆうに1時間以上経ってました。

休憩前に右のペダルのいろんな説明を終えてしまうはずだったのに、

持って行った資料の半分ちょっとくらいしか解説出来ず。

まあそれだけペダル使いというのは奥が深いということですね。

実演付きでないと伝わらないんですが、講座に来れなかった方のために軽く解説。

昨日も書いたんですが、ペダルというのはOnOffではない、その間に何百もの踏み方が存在するんですね。

で、ピアノを習い始めて、ペダルを踏む、離す、という作業をマスターしたら、

その後に出てくるのはハーフペダルというもの。

これ、決してペダルを半分だけ踏むってことではないんですね。

半分踏むともうダンパーは完全に弦から離れて、奥まで踏んでいるのとほぼ同じ状態になります。

ペダルを踏んでいくと、最初に何事も起こらない遊びの部分があって、

そのあとのほんの数mm、そこの部分で調節するのがハーフペダルなんです。

今日は最初に幻想即興曲を弾いたんですが、この曲なんてハーフペダルの嵐です。

パデレフスキー版には、2小節目にペダルが書いてあってそのあと踏み替えるのは6小節目ということになっているのですが、

そしてこれはショパン自身の書いたペダルなんだと思うんですが、

今のピアノでそんなベタ踏みペダルをやってしまうと、もうぐちゃぐちゃです。

じゃあ踏み替えればいいんではないか、というところにまず頭が行くと思うんですが、

1小節ごとに踏み替えても、やっぱり右手の16分音符が全部きれいに聞こえるわけではない。

なので、ここでハーフペダルなわけです。

どのくらい踏むかというのは実際音を聞いてもらわないと分からないのですが、

これだけ音の多い場面だと、実際ほんとにちょっとしかペダル動かしてないです。

和音を一つ弾くとあっという間に音が消えてしまうくらいのペダルでも十分です。

そして、6小節目にはクレッシェンドがあるので、

ここで音量をだんだん大きくすると同時にペダルも少しずつ踏み込んでいくんです。

そうすると響きの量も増えて、ひとつひとつの音だけではない膨らむような、包み込むようなクレッシェンドが出来るんですね。

そしてそのあとのデクレッシェンドは、だんだんペダルの量を少なくしていく。

特に最後のほうは少し前の響きが残ったままだといくら指で小さい音を出しても全体として音量が変わらないので、

消える寸前くらいまでペダルを戻します。

そんなようにハーフペダルと一言で言っても結構いろいろと調節をするもんなんですね。

そして、それだけ繊細なペダルワークをするためには、

まず足も体もちゃんと脱力出来てないといけません。

よくペダルを習得したての子供が、ペダルを体中で踏んで、踏むと手にも影響して音まで大きくなってしまっているようなのを見ますが、

だんだん足も独立して動かせるようにならないといけません。

「踏む」という言葉があまり良くないのですが、ペダルは足で上から踏みつけるものではなくて、

かかとを支点にして足首の関節の動きで押さえるものです。

そして、足のどこで踏むかというのも大事なんですが、

僕は個人的には足の指の付け根をペダルの縁に沿わせて踏むようにしています。

足の指全体でペダルを包み込むような感覚です。

そうではなくて、足の指と土踏まずの間の盛り上がった部分(なんて言うんだろう・・・)で踏んでいる人をよく見かけますが、

そうすると大味なペダル操作しか出来ないと思います。

足の指まで全部使えるような状態を作りだしておいて、

ハーフペダルの一番上のほうは親指の感覚で調節するんですね。

これは不思議なことに靴を履いていても一緒のことで、

指を使うことでほんの何mmかの繊細な感覚でペダルを使うことが出来るようになります。

そして、こうやってペダルの説明をしていると、意識がどんどんどんどん足のほうに向かっていくと思うんですが、

ペダルにしても、

ソフトペダルにしても、

指にしても、

結局一番大事なのは、

自分がどんな音を出したいかのイメージを持って、

そして実際今自分はどんな音を出しているか、

そして、それはその日演奏しているそのピアノ、そのホールでどんな響きになって客席の後ろのほうまで響いているか、

をよく聞くことが大切です。

それが出来るようになってくると、

耳で聞いた音と足が直接連動して動くようになってくるんですね。

そして、耳を介して手と足も連動して動かせるようになってくると、

これはもう自由自在です。

何百種類もの音色の海の中で戯れることが出来るようになります。

そうすると、さらにピアノが楽しくなりますよnote

さて、このくらいのことを10分くらいで説明して、どんどん他にも講座では解説したんですが、

同じことを文章にすると恐ろしく時間がかかるもんですねぇ・・・・

今は広島に向かう最終新幹線の中なんですが、

もう少しすると新大阪になってネットが使えなくなるので、

このくらいにしておきますかshine

またきっとこういう講座やると思いますよnote

レッスンとかでもちょこちょこペダルの使い方に言及しますが、

2時間もペダルのことだけ説明する講座ってなかなかないと思います。

そうすることによって、かいつまんだ知識ではなくて、

一気に系統立てた知識を得ることが出来るので、

きっと面白いんではないかと思いますhappy01

それではおやすみなさい
moon3

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コメント

私の知人も伺ったようで、たいへん勉強になたとメールもらいました。
私も書かれていることをじっくり読んで勉強いたしますっ(ちなみに今月本番3回、本日1回目が終わりました・・・)。

投稿: いぞるで | 2009年12月 6日 (日) 21時31分

はじめまして。
中年オトナのピアノを趣味にしている者です。今日は貴重なレッスンをありがとうございました。踏み込むのとハーフペダルの使い分けぐらいはしていましたが、それだけでなく、無数に踏み分けることでペダルの効果があんなに違うことをいままで全く知らず、大変驚きました。「こうすれば」「こういう音色になる」ということが実演とお話を通してよくわかるレッスンで、目からウロコの連続でした。今日は、大分から東京にいらしたお客様(大変熱心に日々ピアノに精進しておられる方)と夫と3人で偶然そちらに伺うことが出来ました。貴重なレッスンと素晴らしい演奏に心から感謝です。ありがとうございました。

投稿: きりん | 2009年12月 6日 (日) 01時24分

ぎゅっと詰まったレッスン、お疲れさまでした。
きっと引き込まれるように聴いてたら、あっという間に時間が経っていたという感じだったのではないかしらと想像しました。

「自分がどんな音を出したいかのイメージを持つ」という事は、楽器を選ばず大切な事ですね!
出したい音のイメージをしっかり持って音を出すようにと、娘にもしっかり伝えます♪

投稿: ひなまま♪ | 2009年12月 5日 (土) 23時01分

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