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ピアニストの宿命

またまた台風が近づいているらしい今日この頃・・・

久~~しぶりに(半月ぶり)に東京に帰って、弾きなれているはずの我が家のピアノを触ってみてビックリ!!!

ものすごく弾きにくいcoldsweats02

思ったような音が全然出ない!!

指が、倉敷のピアノ、それから玉野のくらび舎のピアノに慣れてしまっていたのだ。

特に、くらび舎のピアノは音の出方が少し独特なピアノだったので、そのピアノで自分のイメージに近い音を出すために少し弾き方が変わっていたのだろう。

結局、ここでうちのピアノの感覚をまた取り戻そうと頑張っても、明日にはまた違うピアノでリサイタルをするのだから、あまり気にせず大きな音楽の流れだけを練習しようと割り切って練習した。

まあ慣れたピアノのことだから、次の曲くらいにはもう感覚が戻ったんだけど。


こういうところがピアノという楽器の難しいところ。

ほとんどの他の楽器はいつも自分の楽器を持ち運ぶので、常にその楽器を向き合って練習していて、長い時間かけて知り尽くすことが出来るけれど、ピアニストにはそれが出来ない。

前日からリハが出来たらいいほうで、
だいたいは本番のその日ホールに行ってみて、「あぁ、こういう楽器かぁ」と初めて知り、
短い時間でピアノと会話を交わし、
「僕はこんな音が出したいんだけど、君はそういう好きかい?」
「いや、いつもはもっとこういう音を主に出してるんだけど、ちょっと今日は頑張ってそんな音も出してみる。でも、それ以上にはいけないから、そっから先は君のほうでなんとかフォローしてくれよ。」
という風に、どこまでピアノがついてきてくれるか、どこまで自分が近寄るべきかを判断しないといけない。

いつも同じように弾けば同じような音が出るわけではないのだ。

だからと言って、無理やり自分の音のほうに引き寄せようとすると、ピアノが悲鳴を上げてついてきてくれなくなってしまう。

では、ピアノに完全に合わせてしまえばいいかというと、今度はそうすると自分の音楽が出来なくなってしまう。

なので、その間のどこかいいポイントを見つけなければならない。

そこで大事になってくるのは、大きな音楽のイメージを常に持っておくことだ。

ここのこの16分音符の”ファ”の音でこんな音色を出して、
とかそういう細かい細かいイメージしか持っていなかったら、
いざそこで思った通りの音が出なかった時にその周囲の音楽が全て崩れてしまう。

でも、大きな流れを捉えて、確固としたイメージを頭の中に作っておけば、
細かいところをその時その時臨機応変に自由自在に変えてしまっても、
自分の音楽というものがぶれることがない。

そういうものがないまま、小さな箇所から虫眼鏡で見ていくように粗を探して磨き上げていっても、結局全体としてつじつまが合わなくなったりする。

ピアノは音が多くてしかも難しいことが書かれていたりするから、どうしても視点が微視的に微視的になってしまいがちで、
しかも、難しいところをひたすら練習して克服するというのは、結局のところ一番何も考えなくていい単純なやり方なので、
どうしてもそっちのほうに誘惑されてしまうけれど(特に真面目な人ほど(^^ゞ)、
そこはグッと踏ん張って一歩も二歩も引いた位置から音楽を眺めてみないといけない。

そうすると、自分が大きな家の窓のサッシだけを必死に磨いていたのだ、ということに気づくだろう。

・・・・あれ、いつの間にか講義みたいな文章になってしまったgawk

ピアノのタッチが違ってビックリした、ということが書きたかっただけなのに(^^ゞ

あんまり偉そうなことを書きすぎると自分にしっぺ返しが来るので、このくらいにしときましょう☆☆

明日もいい演奏が出来るといいなぁconfident

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コメント

またまた出てきました ^^;

>ピアノは音が多くてしかも難しいことが書かれていたりするから、どうしても視点が微視的に微視的になってしまいがちで、
しかも、難しいところをひたすら練習して克服するというのは、結局のところ一番何も考えなくていい単純なやり方なので、
どうしてもそっちのほうに誘惑されてしまうけれど(特に真面目な人ほど(^^ゞ)、
そこはグッと踏ん張って一歩も二歩も引いた位置から音楽を眺めてみないといけない。

そうすると、自分が大きな家の窓のサッシだけを必死に磨いていたのだ、ということに気づくだろう。


ほんと、その通りだと思います。
あまりにも感銘を受けたので、私のブログにメモらせてくださいっ!


投稿: いぞるで | 2008年10月 2日 (木) 11時17分

>「僕はこんな音が出したいんだけど、君はそういう好きかい?」
>「いや、いつもはもっとこういう音を主に出してるんだけど、ちょっと今日は頑張ってそんな音も出してみる。でも、それ以上にはいけないから、そっから先は君のほうでなんとかフォローしてくれよ。」

ピアノと話せる松本くん、ステキ!
いろんなピアノを渡り歩かなければいけないのは宿命だけど、いろんなピアノとお話できるのは役得かもwink?!

今度は作曲家との対談もお願いします☆

投稿: ミナ | 2008年10月 1日 (水) 21時02分

いよいよ~今夜ですね。
ずいぶん待ったような気がしてます(笑)
久々のリサイタル!
プログラムがオールショパンの盛りだくさん!
サロンテッセラの素晴らしい音響!
そして何より一番は松本君の熱い演奏!!!
  ☆~期待してます~☆

あっ、今日の日記
ピアノと相談しながら調整する松本君。
緊張する空間・時間なのでしょうね。
ますます、今夜に期待ですshine

投稿: YUKI | 2008年10月 1日 (水) 11時46分

ピアニストって毎日そういう世界にいるんですね・・・
すごいなぁ。。
また松本さんにお会いしたいです。
あの、おしゃべりしてるときと演奏してる時のギャップ・・・・(笑)
ああ、ピアニストも一人の人間なんだとホッとしますね(^^)
テレビにもたくさん出てください!

投稿: あきこ | 2008年10月 1日 (水) 08時31分

今日もまた、素晴らしいお話、ありがとうございました。
心の奥深くに刻まれました。。。。

投稿: chiarina | 2008年10月 1日 (水) 01時20分

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